46 木立木蔭 ……ずっと、私と一緒にいてくれてどうもありがとう。大好きだよ。

 木立木陰 ……ずっと、私と一緒にいてくれてどうもありがとう。大好きだよ。


 どこまで続いているんだろう? 

 公園の中を歩きながら飾は思った。

 思っていたよりも足跡は遠くまで続いている。まずいな。と飾は思う。あんまり遠くまで足跡が続いていると、飾はあとをつけることができなくなってしまう。幽霊の飾は自分の居場所である東雲神社からあまり遠くまで離れることができなかった。霰が一緒にいてくれれば、霰にとりつくことで遠くまで出かけることもできるのだけど、今は霰がいない。(その霰を追いかけているのだ)

 さてと。いざとなったら、どうしようかな? 

 うーん、とこのあとのことを考えながらあるいていると、ふと足跡が少し先でなくなっていた。そこはちょうど公園の中にある池の近くだった。

 池の柵の近くにはベンチがあり、その道の反対側には休憩所と自動販売機があった。そのベンチのところのまえで猫の幽霊の足跡は消えている。

 そのベンチには一人の女の子が座っていた。飾と同い年くらいのたぶん小学校高学年くらの女の子。

 髪の毛は肩までくらいの黒髪のボブカットで(少し寝ぐせがあった)青色のりぼんをつけている。白色の(花の模様のある)パーカーに紺色のデニムのオーバーオールを着ている。足元は靴下と水色のスニーカーだった。

 体格はとても小柄で背も小さく見えた。顔はとても綺麗でまるでお人形のようだと飾は思った。

 その女の子の前まで飾はゆっくりと歩いていく。女の子はじっと正面を見つめていて、視線を動かさない。

「こんにちは」と飾は言った。

 女の子はなにも言わずに顔だけを動かして、飾を見る。その顔は無表情でまばたきもほとんどしなかった。その大きくて綺麗な宝石のような眼だけがじっと飾を見つめている。

「あなた、『私と同じ幽霊』だよね。こんなところでなにしているの?」と女の子の前にしゃがんで飾は言った。

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