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東雲神社に帰ると飾はさっそく神社の社の中に入っていって、久しぶりに古い木の箪笥を開けて、その中に入っているたくさんの古い本の中から一冊とって、その古い本を読み始めた。この本のどこかに動物霊の呪いについての記述があったような記憶がある。それを頼りに飾はぺらぺらと本のページをめくっていく。
「うーん。ないな。たしかにどこかで読んだ記憶があるんだけどな……」と言いながら飾はページをめくっていく。
なかなか見つからなかったけど、三冊目の本を読んだときに読みたかったページを見つけた。
「あった。これだ」とにっこりと笑って飾は言う。
動物霊の呪い。それは動物霊が恨み呪うこともあれば、そうではなくて、ただ動物霊と触れ合うことで呪われてしまうことがある。(動物霊と触れ合うとはそれくらい危険な行動だった)そうなんだ。しまったな。と飾は思った。
動物霊と人間が触れ合うことが危ないことだということは一応飾も知ってはいたのだけど、霰の悪い幽霊退治を早い段階で満足させるために、あの子の浄化を霰に頼んでしまった。あれくらいなら影響はでないと思っていたのだけど、考えが甘かった。(でも、ほおっておいて本当に危ない悪い幽霊と出会ってしまったら、それこそ霰が命にかかわるくらい危険な目にあってしまうのだから、しょうがなかったといえばなかったのだけど……)
「動物霊の呪いをとくにはどうすればいいんだろう?」飾はそうひとりごとをいいながら本を読むのだけど、肝心の動物霊の呪いの解きかたについてはどこにも書かれていなかった。
「……うーん、こうなったら、まあ、しょうがない。ぼくが犠牲になるしかないか。霰をこちら側の世界に呼び込んでしまったのは、ぼくの責任なんだからね」と本を置くと、唇をとがらせて薄暗い天井を見ながら飾は言った。
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