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 飾が霰に教えてくれたのは「星はいつも光ってる。それはね、誰かに見つけてもらいたいと思っているからなんだよ。離れていても、誰かに見つけてもらいたいと願ってる。ひとりぼっちはいやなんだよ。ひとりぼっちだけど、本当はひとりじゃいたくない。誰かと一緒にいたいって思ってる。ぼくはそれは希望だと思うんだ。とてもいいことだと思うんだよ」とにっこりと笑って飾は言った。

 その日のお別れのとき、いつものように小雨の中で神社の赤い鳥居のところで、飾とばいばいをするときに、飾は「霰。ぼくを見つけてくれて本当にどうもありがとう。霰にあえて本当によかった。霰と友達になれてさ。ほんとうにうれしかったよ」と飾はぎゅっと霰の手をにぎりながらそんなことを言った。

 霰はきゅうにそんなことを(あらたまって)いってどうしたんだろう? と思った。でも飾にそんなことを言われてうれしかったので「当たり前でしょ? だって私と飾は友達だもん」と笑顔で霰はそう言った。

 すると飾は本当にうれしそうな顔をして「……うん。そうだね。ぼくたちはともだちだもんね」と霰に言った。

 小雨が降っていたから、そのまま霰は少し駆け足で飾の前から立ち去って、家に向かって急いで帰った。(傘をもっていなかったし、雨がまた本格的に降ってくるかもしれなかったから)

 でも、そのことを霰はすぐに後悔をした。もっとしっかりとあの日の飾のことを見ておけばよかったと思った。(でも、しょうがないじゃない。またすぐに会えると思ったんだから)

 飾は霰の姿が見えなくなるまで霰に手を振ってくれていた。でも、そのことをすぐに前を向いてしまった霰は知らかなった。(見てあげることができなかった)

 次の日、いつものように神社に行くとそこに飾はいなかった。

 ……珍しく留守にしているのかな? と思って霰はその日、少しの間神社で時間をつぶしてから家に帰った。

 でも、次の日も、また次の日も、神社に飾はいなかった。

 誰もいない神社の古い階段のところに座って真っ赤な夕焼けをみながら霰は飾の言葉を思い出していた。

 星は誰かにみつけてもらいたいと思ってる。そんなことを飾は言っていた。

 見つけてあげるだけでいいの? 頭の中で霰は言う。

 そうだよ。見つけてあげればいい。自分を見つけてくれた人がいる。自分を見てくれる人がいるってだけで、きっとさ、じゅうぶん幸せなことなんだよ。ぼくはそう思うな。と頭の中の飾が言った。

 だから霰は消えてしまった飾を絶対に(もう一度)見つけようと、そう泣きながら心に誓った。

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