玲ちゃん!旦那様(仮)と初めての…そして
二度手間をかけてしまったが、優君の部屋にお布団を敷いてもらった。別に私だって年がら年中、優君を想って発情してるわけではない。機会があれば、そうなれたらいいなとほのかに思ってるだけである。
今だって優君からあーして欲しい、こーして欲しい、なんてほんの少ししか思ってない。一緒にいられるだけで幸せを感じているのは本当のことだしね。
それに優君は決して奥手なんかじゃないことは、カレー事件で分かってる。あの時もあと半歩でもどちらかが踏み出していたらきっと止まらずに…私の想像は間違ってない確信がある。
だから優君の部屋で一緒に寝ることを提案したのは、優君から手を出して欲しいからという下心がないなんて言わない。でも少しでも手が届く場所にいっしょにいたい、離れたくないと思うこの気持ちもやっぱり邪まなものだったりするんだろうか。
「優君…起きてる?」「…起きてるよ」
「そっか…」「眠くならない?」
「ん~少し寝ちゃったから」「僕もだ」
ふたりしてクスクスと笑ってしまう。
「半日でいろんなことがあったね…」「うん」
「優君のお世話…出来てたかな?」「もちろん。いつでもお嫁さんになれるよ」
「優君の?」「光栄です」
背を向け合って寝てたのに、お互いの顔が見えるように同時に寝返りをうつ。何気ない動作が重なるだけで心も通じてるように感じて…笑みがこぼれてしまう。
室内には月明りが差し込んでいて、この部屋には私と優君しかいなくて。
「優君は私と…したい?」「…したいです」
「じゃあ…する?」「…しない」
ふたりで笑いあってしまう。
「もう、優君の言ってることおかしいよ」「ほんとにね」
「………」「………」
「私は…優君と…したいよ?」「…うん」
「じゃあ…しよ?」「…しない」
なんとなくそうだろうなぁと思ってた。今はまだ、優君から手を出してくれることはないんじゃないかと。優君が思ってくれていることが私には分かる。
いつでも他人を
ただ一言で表すのなら優しいのだ。
優しい。他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである、穏和で、好ましい、控え目に振る舞い、つつましやかである、殊勝である、けなげである。
意味をたくさん内包している言葉。私が感じた優君の強さもこの優しいの一部に含まれてると思う。
不思議な人だと思う。特に突出したものは何もないかもしれない。当たり前のことしかできない。注目されるようなことも少ないだろう。優君以外にも優しい人はこの世界にたくさんいる。
誰もが持っていて、誰でも出来る。でもこの人は誰もがしない、やらないことを淡々とこなすことができる。内面では悩んだり葛藤があったりするんだろうけど。
それでも踏み込むことができる人。
己を知ること、相手を知ること、恐れず飛び込むこと。
これは父から教わった極意。優君は誰かに教わったことがあるのだろうか。それとも自ら学んで辿り着いたのだろうか。
過去の私を救ってくれて、今の私を形作ってくれた男の子。成長して再会したけれど、初対面だったとしてもきっと私を魅了してやまなかったと言い切れる。
だから私はこの人のそばから決して離れないし離さない。
そしてこの人の特別になりたい。
「じゃあ…いつになったらしてくれる?」
「すぐにでも…って言いたい。今すぐ玲ちゃんを僕だけのものにしたい」
「うん」
「でも僕は欲張りだから、玲ちゃんだけじゃなくて玲ちゃんのご両親も僕の家族にも笑顔でいて欲しいから」
「うん」
「無責任なことはしたくない。僕は、僕の周りの大切な人の信頼を失うようなことは絶対に、したくない」
「…うん」
「だから責任を取れるようになったら…だと曖昧かな婚姻年齢に達したら…それまで自制できないかもだけど」
「わかった…優君がそう決めたんなら私も応援する」「ありがとう」
「それはそれとして」「?」
私は素早く布団から出て優君のベットに潜り込み、横向きに寝てる優君と対面する形で横向きになった。
「玲ちゃん!?」「はい、何ですか優君?」
「え~…さっき応援するって言ってたような…」
「もちろん、私はいつでも優君の味方だし応援団長ですよ」
「じゃあ何で信頼を失わせるような方向に後押ししてるのさ…」
「それは、私は私の味方でもあるんですから、私が決めたことも応援しなければと」
「…それはどんな決意なのかな?」「知りたい?」
「はい…」
「優君、左手を出して?」「こう?」
私は右手で優君の手のひらを掴む。恋人繋ぎね。次に左手で優君の右手も同じように繋ぎ、見つめ合う。
普段なら恥ずかしがって照れたりするかもしれないけれど、今この瞬間は…。
顔がゆっくりと近づいて目を閉じ、唇に熱が
「わかった?」「なんとなく…」
「もう、優君ったら…。しょうがないなぁ」「えぇ~難しいよぉ」
「そこは面倒だと思うけど分かって欲しいの!」「がんばります」
優君が私を自分のものにしたいと思ってくれるように、私も優君を自分のものにしたい。それと同じくらい私を優君のものにして欲しい。
男女の考え方も違うから全く同じにならないのは仕方ないと思うけど。
「でもちょっと我儘すぎたからちゃんと宣言しないとね」「おぉ~」
「私、紺野玲は優君を応援するとともに、自身の決意のため優君が手を出してくれるようにがんばります」
「………えぇ~。なにそれ…。もう分けわかんないよ…」
「かんたんだよ? 優君は自分の決意を貫いてくれればいいの。私は優君を応援しながら、優君をたくさん誘惑して手を出してもらう。ね、かんたんでしょ?」
優君が宇宙猫みたいな顔して驚いてる。
「優君が私を大事にしてくれてること、将来を見据えた考えまでしてくれていること。それはとても嬉しいの。だからこれは私のわがまま。」
「それ生殺しのまま卒業までがんばれってことじゃない?」
「わたしはいつでもWelcomですよ」「えぇ~」
避妊する
まだまだふたりでもっと、も~っとイチャイチャしたい。優君が私と性行為をしないと決めたことは尊重するし応援もする。
その代わり私も優君とのスキンシップを増やしたいし、キスもいっぱいしたい。その気持ちも尊重して欲しい。そして最後の一線以外を容認して欲しい。
その上で優君が我慢できなくて致してしまうのならば、それはそれで避妊に気をつけつつ
本当に支離滅裂で致すなら致す、致さないなら致さないのどっちかにしなさい! と怒られそう。
でも決して、誰でもいいから性欲を満たして欲しい…ではない。
好きな人だから、愛情を向けたいから、この人に全てを
この私の気持ちに応えてくれる優君だから、理性を吹き飛ばしてしまうの。
「優君の心の赴くままに…。大好きだよ、優君」
日付が変わるまで私は、愛しい人の唇に魅了され続けていった。
あぶない、危うく自分がカクヨムとサヨナラになるところでした…(破廉恥な箇所は省いてやったぜ…とある神がそそのかしてくる…怖ろしい )
別にHなことを書きたいわけじゃなったのに…玲ちゃんが玲ちゃんが…(言い訳ばっかり)
これで後は優君のお礼の話が書けたら
セルフレイティングつけて別の名称でふたりの自分用にイチャイチャグレーラインをひっそりやればいいのか| •ૅω•́)ᵎᵎᵎハッ(ノクターン行け)
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