耐性0でパーティを追放されたが耐性ゲットで無双中
皇帝ペンギン
第1話 パーティ追放と出会い
「はぁはぁはぁはぁ」
雨の降る中俺は全力で走っていた。
重い鎧を捨てながら息を切らしながら
ずっと走り続ける。
「はぁはぁ 無理だって 魔物相手に
剣を振るなんて無理だ!
だって……だって…
怖すぎるだろーーー!!」
俺は大声で叫んでいた。
「なあ何回目だ?これで?なあ?
役に立たないがどうしてもパーティに
いたいっていうから荷物持ちにしてやったのに
まさか俺たちの食料全部持ったまま逃亡?」
「私たちを飢え死にさせるつもりだったの?」
「なんか言ったらどうなのよ!」
逃亡したため
パーティメンバー全員から責められている。
だってしゃあないだろ
耐性がないんだから!
「お前さ メンバー募集で来た時
なんて言った?
「私は魔法と剣の属性がとても高くて
必ず役に立ちます!」
だったか? どこが役に立つんだよ!
この役立たずが!」
俺たちの世界には属性が存在する。
基本的に剣やタイガーなど武器や魔法の種類に
よって得意とする属性が変化する。
俺はちなみに剣と魔法の属性がとても高いため、
魔法戦士になった。
だが属性以外にも項目は存在する。
それが耐性だ。
耐性は属性とは完全に独立した項目だ。
魔法耐性や武器耐性といった基本的な
耐性以外にもマニアックな耐性も存在する。
たとえば…暗闇耐性や魔物耐性、血耐性などだ。
そして…俺は…これらのマニアックな耐性が
何故か0なのだ。
魔法耐性や武器耐性はちゃんとある。
むしろ平均より高い。
だが何故か本来なら大抵の人は
あるはずのマニアックな耐性はおれは0だった。
そのため俺は戦闘が出来ない。
洞窟に潜れないといった障害が起こっている。
冒険者としては致命的だ。
「もういいお前はこのパーティから出ていけ!」
「そっそれだけは!
次こそ!
次こそはちゃんと役に立って見せます!」
「黙れ! そのセリフも何回目だ!
正直うんざりだ!
あっあとお前出て行く時に所持金置いていけ」
「なっなんでですか?」
「一体いくらお前に使ったと思っている!
逃げるたびに装備品捨ててその度に
わざわざ買い直してるんだぞ!」
「でっでも所持金を置いていったら
明日からどうやって生きていけば……」
「知るか! のたれ死んでろ!」
そうして俺は所持金を奪われて宿屋から
追い出され、真夜中の街を途方もなく歩いていた。
「ちくしょう!
なんで俺には耐性がないんだよ!」
魔法属性の高さを見込まれて子供の頃に
魔法学校に通っていた。
そこでは魔法の成績はトップで
格闘戦も剣属性のおかげでトップだった。
そして俺は上級職の魔法戦士になった。
親からは自慢の息子だと言われ
冒険者として家を出た。
家を出る時こう思った。
「ここから英雄の始まりだ!
大丈夫だ!
俺には天性の剣と魔法の属性がある!」
あの頃の自分を殴りたい。
家には戻れない。
あぁ神様なんで俺には耐性が無いのですか?
耐性は戦いの経験値によって増加することがある。
しばらく山に篭って修行しようかな…
そうして2年の日が経った。
俺は山に篭って修行し続けた。
だが耐性はつかなかった。
俺は絶望して自殺しようとも考えた。
俺を追い出したパーティが新しい魔法戦士の
加入でどんどん魔物を倒し続け、英雄扱いされる
新聞を見るたびに吐き気がした。
そして俺はついに決心する。
死のうと。
山の途中には渓谷がある。
上から見ても下の地面が見えないほど高い渓谷だ。
まず助からないだろう。
そうして俺は渓谷に行った。
そして渓谷を覗き見ながら飛び降りようとした。
「もしも死んで転生したら耐性が欲しいな」
そんなことを呟いて俺は決心した。
だが目の隅に何かが映った。
気がつくと木の影に少女が立っていた。
「エルフか?」
そう俺が聞くが
少女は慌てた様子でこっちにきた。
「死なないでください!」
どうやらエルフの少女は
俺を止めようしているらしい。
だが少女は俺を止めようと走ったが勢いよく
転んで俺にぶつかった。
「あっ」
そして押されたことによって俺は渓谷に落ちた。
少女は何かを呟いた気がしたが聞こえなかった。
そして俺は渓谷に落ちた。
あぁやっと楽になれる。
そう思って目を瞑った。
これほどの高さだ即死だろう。
まだ地面までかかるのか?
まだか?などと考えていると
背中に衝撃が走った。
どうした?と思って見ると地面についていた。
「???この渓谷の高さから落ちてどうして俺は
生きている??」
混乱が続く中、俺はパラメータを確認する。
体力は満タンだった。
そして右端に謎の時間表示と………
耐性がついていた。
耐性0でパーティを追放されたが耐性ゲットで無双中 皇帝ペンギン @tukepenguin
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