まるで握手を求めているかの様に、自然に差し出される手。冒頭を読んだ時に既にその手に握られていると言っても過言で無い程にエスコートが上手で、私も気づけば読み終わっていました。ライトな雰囲気でありながらも、重力で吸い寄せられる程に質量が大きなテーゼ。よもすればこれはブラックホールの様に全てを飲み込み、新しい時代の礎を築く金字塔とまで成る作品なのかもしれません。いや、成って下さい!死の香り程、現代人が過敏に反応する香りは無い、と私は思います。