二十三章 いきなり!トライアウト
人がタウンワーク(旧約聖書)や、あつまるくぅん(新約聖書)でアルバイトを探していたら、大地震が来てそれどころじゃなくなった。
普通に水道が、何週間も止まるレベルだ。サーヴァントか誰かが宝具を使ったのかも。
で当然生命維持活動のみしか一ヶ月以上不可能だ。何もかも止まった。
大学の友達であろう知らない携帯番号から何件か着信が来たが、出なかった。今忙しいから気ぃ使えや。俺は携帯番号を、何回か無くしたのでもう電話帳に大学の奴が居ないのだ。
で、しばらくして復旧したがテニススクールは5月末で辞めた。なぜなら俺がツアースペックをがっつりジャストミートさせるので玉が速すぎて危険極まりないからだ。何か起きる前に起きそうなので辞めた。
そんな訳で、二ヶ月スポーツを休んでいたら、いつも見ていた、地元のプロバスケチームのサイトにトライアウトの募集が載った。
え。今までトライアウト募集なんか見たことなかった、このサイトは何年も見てきていたが、初めて見た。
あと二週間後やんけ。うわぁ。たまたま二ヶ月スポーツ休んで、なまっとる。俺は球団に電話をかけて、行っていいか確認した。
朕は、ちょっと経歴が一風変わっているからな。年齢も三十前半だ。電話したら来ていいとの事だったので行った。トライアウトに。
当然本番迄の二週間はトレーニングした。それでもまぁ完全に最終形態にまでは程遠いけどね。間に合わん。
当日、テレビ局が来ていた。そう言えばなんか要項に書いてあった。肖像権に関して一筆書いた。
始まったが、何か守る方はいけんこともないが、ももの筋肉がなまっている独特の感触があり、ドライブ不可能。もう仕方ねぇよ。
そして何か変な奴らがいる、何か横入りして来たり、休憩時間を守らないとか。監督も、指示が明らかに全員に聞こえる声で話していないとか。
この業界ヤバいな。俺もずっとバスケはしてきていたから指示の声の大きさとかの違和感は俺が今まで普通に普通の中で普通を感じながらバスケをしてきていたから、その俺がおかしいと言ったらおかしいのだ。これは、どうなることやら。この監督は、何年が経つと必ず破滅を辿るな。ヤベー。
こんな奴等がいるのか。そして、テレビ局の奴等は、俺がももをさすったら、反応した。バスケの奴等より見る目あるんじゃないか。
テレビ局の奴等はその仕草に対する反応からして俺がなまっていることに気付いている。トライアウト主催者の球団側は気付けてねぇ。
テレビ局って、色々本物に触れてきて目が肥えてるらしい。同級生のラジオDJのピロヒも近しいものがある。
きっしょー。これは通報してやろう。やっぱ汚い業界なのかな。でかい金が動くところには豚が集まりブクブク太るらしいな。私腹を肥やし。まあ、破滅させてやるけど。我が正義の前に敵はいない。
まあ、ほっといてもどうかなるな。こんな業界。とにかく普通じゃねえ。
本番の最中の横入りした連中もなんかがむしゃらの延長で横入りしたというより、ふらふらっと通常運行ですって感じて横入りしてきたので、ヤバい奴等だよ。こんなのはプロにしたらアカン。
なんか声が聞こえなかった監督の奴はまえに話した人したことがあったが、キャラがまるで別人だった。ヤベー。
俺はさっそく通報してやった。なんかリーグの電話番号はなかったので、その上の機関にしたら、理事の人が、出た。元はサッカーのプロで働いていたそうだ。俺が通報したい件を言うと、
「そうだよ。そんな所だ。リーグには言っとく。」
と理事は言った。あ、そうなんだ。てっおい!
「二十七から始めてトライアウトに、行ったのはスゲーよ、応援してるじゃあ。」
カシャ。電話は終わった。流石に監督の声が聞こえ無かったのはホラー過ぎていうのは止めておいた。
テレビで映らない現実は映せない位ヤバいのだな。げー。俺はこんな目に遭って人に話さない訳はないだろうが。
スゲーよ。ここの業界。濠を埋めるかのように変な噂が広まって痛い目見てくれんかね。いつの日か。ヤバすぎて今直ぐには表には出ないだろうな。衝撃に民のメンタルがダメージ受けそうな程。
まぁほっといても自滅するだろうな。普通じゃねえから。
そして、理事はエールを、送ったがもうノーギャラでバスケはしたくない。結構他の奴らの力量は分かったし。二ヶ月あれば元に体が戻るのも、知ったので。来年のこの時期に合わせてトライアウトの、二ヶ月前にトレーニングしよう。何よりその点はプロっぽい。
とりあえずこのおかしなチームは無理やね。こちらからお断りだ。まぁまだ何とかおかしな人為的現象をやり過ごしてやれんこともないかもな。
際どい。実際のプロ選手にもこんなのがいるのだろうかね。あんまりバスケのプロは他のプロより事件を起こしてニュースになったりはしない印象はある。
あーこれは俺の技量だとマージンがおまけで付く位俺の方が上手い。まぁこんな現場に流させ来た奴らと俺と同じレベルのハズはない。迷惑やねん。
暫く経ち、単発の恵方巻きのアルバイトに行った。あられの時のような流れ作業。案の定、作業内容は似ている。ふと、工場で俺はそこで初めましてのはずの社員さんに、苗字で呼ばれた。そして、何か速い作業を任せられた。普通何人も来るスポットのバイトの名前はリーダーか、管理職だけが把握してる位のもんだ。
何で俺がこのスピードで作業出来るのを知ってるんですか。名前も。
俺は何かこの界隈で通り名があるんじゃないのか。あられのバイトで目立ちすぎたのか。ただここは菊池の方で、あられは甲佐だぜ。何色かの彗星かも知れん。
他にも色々バイトをした。コンビニ麺工場とかは、派遣で行った。俺と交代するシフトの人が
「一人速いやつがいるらしい。」
とか話しながら俺と工場の、廊下ですれ違ったり。
誰のことかな。こことかは、他の派遣の人と俺がトライアウトに言った球団の文句で盛り上がった。
まあ、俺がまともに仕事をやってると、俺が言う事も信用出来るというものだ。
多分、水面下で球団やリーグは破滅ルートを歩みだしている。
このやうに俺が言う事を人が信じるから。まともに働いてる奴の言う事は事実だ。俺は変な奴じゃないから信じてくれるって感じ。
俺は、こうやってパンピーを騙して高い報酬を得るアスリート達全般を敵視し始める。なぜなら、俺はこんなつまらない流れ作業よりはバスケしといた方が良いな、くらいで高い金は欲しいとは思わなくなってきた。低賃金労働野郎達と仲良くなり過ぎたようだ。
こいつ等は、そして何かのプロスポーツのファンとか言って給料高くないのに散財している所を見ると俺には見えてくるところがある。多分俺だけには確実に解る何か。
「あなた騙されてますよ。」
とか冗談めかしくその時は言うが。
こうやってバイトを続けて、そこでバイト仲間と、仲良くなる内に同じ様に、経済感覚がなっていったのだ。
以前は有名大学出でどうこうとか、そう既成概念があった。 俺は東京六大学を出ている。
ただ段々一般職が苦痛になってきた。どこでどんなアルバイトをしても俺の仕事ぶりは好評価、高評価である。
肉体労働のアルバイトを、プロの入団テストに行くようなフィジカラーがマジで本気を出してヤればそうなるだろう。無双である。
俺以外にそんなイケメン?爽やかムーブをするやうなアスリートは居ない。他のプロを目指すアスリートとかは普段、もっとスカした仕事をしているんじゃないのか。イケメンとはこういう事かもしれない。顔がどうのこうのじゃない。
いや違うかもな、俺はただ運動不足にならないためにプロアスリートのパフォーマンスを発揮して肉体労働のアルバイトをしているだけなのだから。
まあ、カロリー消費が他のアルバイト仲間より多いし、その分他のやつより食費がかかるけどね。たまに何のギャグかなと思う時がある。
次の年のトライアウトの時期が来た。南の県に行かむとせむ。
あ、本番が八月と思ったら一ヶ月間違えて七月だった。サイトで確認したが、勘違いしていた。またか。俺は二ヶ月前に体を作る予定で十ヶ月まるまるスポーツをしていない。やっても一銭にもならないから。
また、体が戻って無いままトライアウト本番の最中、だめ過ぎて帰されるか心配になる程だ。
最近、変なスイッチが入る。何かメンチを切ってきた奴がいた。同じトライアウトを受けるやつ。こいつはいつかぶっ殺してやるバスケで。必ず。そんなスイッチが入るやうになった。
狭い業界で、誰一人顔は去年の奴等は覚えていないが、顔ぶれが変わらない場に入ると、面子か全く同じなのは判るくらい。
終わりがてら、今度は正規の選手に生意気な奴がいた。こいつも覚えておこう。まぁ戦いの場なので。冗談でしたでは済まさない。
帰りに駅でアイスコーヒーをコンビニで買ってそこを出てすぐのそういった為のスペースで飲んでいた。
「ゴン。」
何か俺に後ろからぶつかった。見ると、なんと目の不自由な人が床の点々を棒でする奴をミスって突撃して来た。
そいつはそのまま無語で何とかコンビニに入っていった。で、店員に補助されながら買いたかったのか分からないようなおにぎりをそこで食って去って行った。
俺は東京であんなのを見たことが無い。秒で死ぬ、東京じゃ。危ねえよ。東京じゃ皆床の点々をミスらないやうになってから路上に初めて出る?はずだ。
で、駅から横断歩道を見るとガックンガックン一人で歩いて大丈夫?って奴が渡っている案の定脇の警官が、直ぐ見つけて補助した。
この県は、トライアウトよりインパクトあるエピソードを提供してくれたとでも言うのか。あと南国なだけに短パンが多い。
短パンと言ったらバスケでしょうが。それを見ると何かこっちのほうがバスケ熱が暑い気がした。
帰りは高速バスだかトライアウトのやつも俺と同じのに乗った。そいつは何か運転手への切符の渡し方が生意気だった。運転手もピクっと動いた。恥でしかない。生意気に何かノースフェイスのヒューズ?ヒュージ?ボックスで来やがって。こっちは同じ形の寅壱のリュックやねん。
これが通常運行ですよ、皆さん。見てくださいこれを。プロスポーツ業界ふぅーっ! 同じコートにいたくねえよ。汚らわしい。ね、汚いでしょ?
なんと俺にメンチを切ったやつが、トライアウトに受かった。そして俺がなまっているのを良いことに上からダンクをくれた奴は育成みたいなのになった。
これはもう暫く止めておいた方がいいな。トライアウトは。理由は変なのとはプレイしたくない。ただ、時間が経てば解消するだろう。そしたらまたウケる。汚れ業界め。
そして俺は、他のトライアウトを受けたやつに年上と思われていなかった。口調でわかる。二十一歳位か!
確かに極限でぶつかると選手寿命にオラと差がないのは感じた。オラは戦闘民族らしい。
まぁ収穫があったのはチームのSNSにトライアウトの写真が載り、俺が参加した証拠写真として知り合いに見せられる事だ。
中学の同級生とかにいきなり三十何歳でトライアウト行ったとか言うと変だから。証拠写真は重要だ。あんまり聞かんだろ。
このトライアウトの後始めたバイトは有名飲料メーカーの自販機補充だ。
ここは髪が黒くて、ピアスがなければ合格するバイトだそうた。
やっぱりここでも俺は大活躍した。リーダーが俺だけをあだ名で呼ぶ位。はあ、あり得ないことにこのバイトはプロスポーツよりキツい。
九月から年末迄経った。他の奴は大体アルバイト辞めていった。
支店長は、他の奴が辞めるときは
「そうか、残念ばってん。」
と言う。
俺はもう三十五歳。大卒を活かす就職のリミットの年齢だ。それを告げて辞めると言ったら、支店長と、ナンバーツーの上司が、オフィスの一番奥のこっちを向いた偉い人達専用デスクに座って、
「いや、人がいないから。駄目。」
「三十五とかそんなの関係ねぇ。」
と二人がかりで逆ギレされた。
俺はそんなものか、と思い。
「わかりました。」
と言い継続した。俺は、「であるか。」と「是非も無し」以外の返事を知らない。
そしてここでもトライアウトの裏話と機構に通報した話をしまくってやった。破滅しろ。
ここは永遠に、この製品幾つ、これが幾つ、とかしか作業が無いので、頭がおかしくなって来そうになったので辞めるしかなくなった。そうなる前に。一年無い位の期間続けたが、インパクトがあった。
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