二十二章 清掃会社を辞めみかん狩っとく?

 漸く四年位続けた清掃会社を辞める事が出来た。夜勤や、早朝の作業のせいで規則正しいリズムで睡眠が取れず、トレーニングが滞っていた。それで俺の身体能力の向上が停滞していた。

 嗚呼来られでまた、まともにトレーニング出来るか。

 今は、古閑野さんに組んでもらったメニューをベースに、自分でアレンジしてトレーニングしている。あとは、ジムに通ったり。家からランニングして十分位の所にアクアドームという建設費用六十億の公共スポーツ施設のジムに。

 ここは身体能力を測定してメニューを作ってくれる。更に競技に合わせてメニューを組んでくださります。これがドハマリした。 

 みかんの狩りアルバイトを求人誌で見て、面接を河内のコンビニでやった。夜十八時集合、

「採用だから地下足袋を買って明日から来い。」

と坂ノさかのぐちさんに言われ、城山の作業着屋屋で、買って帰った。

 翌日からせっせとやる。坂ノ口さんに、

「面接の時にこいつできると、思ったのはお前が、初めてだったよ。」

と言い、奥さんが、

「面接の時に地下足袋を、旦那が、買うように言ったのは孔明君が初めてだったよ。すげー。」

と言った。他のバイトは続きそうなら地下足袋を買うように言っているそうだ。

 他のバイトも若い奴等がいるが、作業着が無く、鹿児島から来て、道の駅で車中泊して勤務するホカちゃんに、武田君と牧場に行った時の作業着を差し上げた。こいつは、大学の奨学金を滞納したり大変そうだ。東京に、就職の面接に行ったりしながらみかん狩りに来ている。

 所でバスケだが、規則正しい睡眠リズムに戻った影響で、ダムが決壊したやうにドカンとプレイの質が向上しだした。マジで清掃業を辞めて良かった。何年か分のトレーニングが急にドカンと成果を出したやうな様子である。

 因みに前にいた社会人クラブチームでもとっくの昔に仲間相手には本気を出せなくなっていた。ここは辞めた。

 みかんのシーズンは師走まで。それが終わり短期のあられ工場のバイトに行った。

 初日に二十代女性の社員の吉塚さんに、

「まるで何年もいるベテランみたいだ。」

と言われた。

 全ては運動神経なのだ。それと気持ち。良く覚えよう、どうしたら上手くできるか、にしっかりとカロリーを消費させ作業する。そこが、俺は人よりサービス精神があるらしい。地は爽やかなスポーツマンなので請われるまま頑張ってるだけだ。意識を集中させる量が人より多い気がする。それって嫌味に聞こえないでしょ?仕事が出来るってこう言うことなのだな。

 そしてこの期間にギター講師になった。先日、テレビでクラプトンに合わせてペンタを弾いていたら金になるな、と確かな感触があったので、勤務先を探していた。無事採用。

 今度、何か東部のレッドバロン辺りに教えに行く。

 バスケも近くの雁回館と言う富合のスポーツ施設で活動するチームに顔を出している。ちょっとブランクがあってなまっています。

 ここは毎週一回のペースだ。週を追うごとに俺のパフォーマンスが戻る。

 一対一をしようとか言い出す。この俺とか?俺は先週より体から元に戻っているというのにな。

「あっ速い。」

とか言って俺にやられまくる。特に何かドヤるとか無い、恥ずかしいだけだから。ただ面白がってはいる。

 また次の週。もうこのスピードでは、アマでは止められないなというラインが分かった。おお。

 今日は、あえて、そこは超えてやった。快楽犯だ。なので無双だが。皆仲良しだよ。

 ギターの講師業も、生徒さんがマジで上手くなりたい思いか強かったので上達が速い。弾けずに相当悩んでいたそうだ。

 ただ思ったのが、この生徒さんがもし俺の知り合いだったらノーギャラでよかったのに、だ。

 そして、スポーツ関係で求人をエントリーしていたらテニス教室から連絡が来た。ジムだか助手だかだそうな。まあお客としてでも。みたいな。

 おもしれー奴等だ。嗚呼テニスねえ、スポーツショップで眺めてみる。俺は硬式野球バットもピッチャー用のグローブも、オーダーで作って所持している。二万円と六万円位した。

 テニスねえ。スポーツショップに行って眺めるが、ヨネックスのブイコアにAEハチロクに通じる日本のモノづくりの確かさを感じた。

 異ジャンルでも造詣が深くなると理解できてくるのだな。 

 ブイコアをテイクアウトした。テニスは客として通うことにした。正式にはブイコアツアーF97だ。

 そんなわけでテニスを始めたが面白いね。ただ少し経ってデュエルGが出て、こっちは持った瞬間高校の頃ショットを上にフライさていせた原因が解った。

 嗚呼これがあれは俺は高校の時ちゃんとテニスやってた。そして、カスタムフィットでグリップをロングにした。

 重量も軽くした。振り抜きを早くして、手首を返し打つと、長いラケットの方が当てるのは難しくなるが、ラケットの動く距離が稼げるのでトルクが、増す。そしてグリップの太さをワンサイズ上げてG3にした。これは鷲掴み出来る太さにして、力を込めたいから、野球をかじったので野球ボールをピッチングするあれから何してこう決めた。

 ドハマリした。最高か。でメーカー推奨のガットの張り方をすればポテンシャルは最高になる、メーカー公式のガットを張る動画でそれに気付いた。

 結構頭で解って差が出るものであるのだ。スポーツっちゅうのは。

 



 

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