十九章 大学は卒業しにき。
四年になるともう卒論しかねぇ。なぜなら三年でフル単だったので。あ、あと教育実習はあります。というか、それと卒論しか無いのだ。
俺は就職活動をしなかった。そんな先のことは今決めきれない。というか人として、雑種風情の上司の犬になれと言うのですか?あんた達は!気い使え。就活なぞ最低だ。多分大学で何を学んできたか?とか俺にナイストスを上げられても俺は、
「そんな昔の事は、覚えていない。」
としか答えられない。この就活いう禍々しい儀式は踏絵に他ならない。
本物のロックンローラーかどうか試されています、あなた、試されていますよ。俺は、ほんまもんだ。これは適性の問題であるし、強いて優劣をつけるなら朕の側に分がある。なので就活なぞせぬ。俺はほんまもんだ。
一般企業に行ける行けないは、雑種の物差しで測るでない。必ずしもそこに優劣はないのだ。
企業や公共機関でやっていくには俺は頭が良すぎる(笑)。後は永遠に興味を持てない、一般企業の業務に。そこであるのだ。良し悪しでは決して無い。人間性としての個性により一般企業とかは無理。
皆よ、ここで俺とはさよならだ。リクルート民よ。俺は別の道を行く。そう。創造性の差だろう。あとは内面の情緒が豊か過ぎたやうだ、朕はどうやら。雑種と俺との違いは創造性の差だ!
シコシコ一般企業で働いて別に誰でも良いような業務して生きればいい。俺はそんなのは苦痛なやうだ。犬が!犬の気持ちは人間には分からない。
一応言っておくが、俺はちゃんとリクルートスーツを着て企業に勤めて行ったやうな友人と、ちゃんと友達だ。ちゃんと友好関係を維持している。俺の社会性を疑わないでくれ。言葉のあやなのです。
というか、俺の年齢は新卒ではテレビ業界しかねぇ。大学の同級生より三歳年上なので。マジで芸能人になるしかないとかな。消去法で。
ただ、ゼミの教授曰く、
「芸能界は怖い所。」
だそうな。で、であるか。気をつけてねっと言われた。じゃあ、是非も無い。辞めておこうか芸能人になるのは。
それにしても、授業が無いので暇だ。謎に最近、スポーツに興味があり、渋谷のスポーツ店に行ったりしてバスケットボールを買ったりした。なんかワクワクを感じる。
そもそも、たまにはランニングとかをしたりはしていたのだ。最近は俺が中学の頃よりウエアも格好良いし、無視出来んな。
そして、大学一年の体育の授業が終わったらもう体を動かす期間が無くなり、
「スポーツ足りてねぇ。」
となった。なんか渋谷で買って来たスポルディングの合皮のバスケットボールを見てるだけでいい気分がする。
これは俺が、にわかにトチくるったので訳は無い。否!そうかも知れん。
俺がバスケ部だった頃より、スポーツグッズが進化しているせいである。だからその影響で、スポーツが楽しそうに感じられる。最新のスポーツグッズの性能が俺の興味を呼び起こしてしまったやうだ。
「ああ、面白い。」
いとをかしー、いとをかしー。と思いながら、NBAを見たり、スポーツショップに行ったり。俺はどうしてしまったのかな?なぜ俺を止めなかった?
何でも趣味を始めるときは誰でもワクワクするだろう。俺を差別するな。今のテクノロジーのスポーツウエアが俺が中学の時にあったなら、絶対スポーツにハマっていたろうな。
まあ今からやればいいだけだけど。ああ楽しみが一つ増えたなぁ。うーん。
あまり大学にも行かないでいい。暇だ。しかし今日は大学にいる。野暮用。
今、唯一の単位の卒論作成について教授に面談している。へへへ。
教授が、卒論の件で、
「お前の三年の時に書いた小説面白かったから、これに続きを書いて、卒論でいいよ。」
と言った。続けて、
「三年の時の小説も卒論の本文に含めていいからね。」
と言った。
「え、本当ですか。」
「うん。」
もうこれ楽勝じゃねぇか。三年の時にゼミで書いた、ノンフィクションは確かに、感想を書く前からゼミの仲間に面白かったろう?と目で言う位のだった。実際ゼミで感想を一人一人聞いても案の定良かった。
実話なので二時間で書いた、高校の頃な江津湖で酒を飲んだ時のを書けば分量丁度じゃねえかな、位で締め切り日に書いたあれ。
あれは面白い優れた作品というか、むしろ俺と俺の友達がやらかしたムーブが面白かったのだ。
その時の授業は、教授が、堀ノぐっちゃんがバタフライで助けを呼びに行ったシーンを、本当にバタフライだったが俺に確認した。本当にバタフライでした。
あのときはマジでメンバー半笑いの顔で俺の小説を批評していた。クレイジー過ぎたのかも。
続きなら幾らでもあるワイ。嗚呼、二十歳のときに高校の同級生と旅行に行った時のでいいや。
ノートパソコンでカタカタ。ノンフィクションなのでカタカタの音が止まない。なぜなら考える必要が無いから。ノンフィクションだけに。
文体はただ箇条書きっぽくなる。事実の羅列なので。さながら小学生の絵日記かというやうな。それを自覚しておいて確信犯でカタカタしている朕。なんて奴だ!止めるん!
ふぅ終わった。二日で終わり。なんの苦労も無かったわ。
終わったので提出した。実を言うとこれはオフレコだが、大学が三年の時の小説を欲しがっているのは分かったのだ、教授に言われたときに。
なんとなく直感で誰が欲しいとかでは無く、なんとなく大学のそのものの存在の意思だ。だいそれた訳では無い。何なのだろうな。まぁいいや。
後日、成績が出た。小説はA評価だった。先生ちょろいな。
俺はこの大学の卒論作成のレコードタイムを絶対更新したな。俺のR(論文)について来れるか。
いよいよ卒業にあたって、教授が、
「箇条書きだったけど面白かったよ。」
と。
「ありがとうございます。」
「また書いたら見せてよ。」
と、教授は言った。俺は素直な生徒なので、心の中で、書く訳ないな、と思いながら、
「わかりました。」
と答えた。教授が、
「将来どうするの?」
と言った。
「お金が欲しいですけど、特にどうしようかなと今思っています。」
「あんまりカネカネ言ってると今ニュースでやってるアイツみたいになっちゃうぞ。」
「わかりました。」
「自分に何が出来るのかを考える事だね。何がしたいというよりね。」
「はあ、そうなのですね。わかりました。」
「じゃさようなら。」
「先生お世話になりました。」
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