十七章 大学二年の出来事
大学二年になった。
サボれる授業はサボり、まるでヒッピーみたいに、サークルの奴らで集まりギターを弾いている。掲示板の所の机と椅子で常駐しているのだ、サークルメンバーが。交代制で。
「授業はいいからギターを弾こうよ。」
だとでも言うのか?そして、確か孔子の言葉に無かったっけ、
「サボれる授業はサボれ。」
と。俺は確か日本文学科だけど、無かったっけか?
因みに、俺は一年のときから教職の授業を履修して来た。一年の時は単位も全て取った。
しかし俺の学部の友達は不真面目で気が合う。最近はメイドに興味が無いのにメイド喫茶にヘビロテしている。
俺位のスーパースターはメイドの顔を認識もしない。多分トゥギャザーしてる、このメイド喫茶を見つけたこいつ、
一時限空くと飯田橋から、秋葉に行っちゃう。何か気になる女のキャラがいた、俺はオタクではないから、樋熊に、
「これ何?」
とキャラを指した。
「それ、アーサー王が女だったやつ。」
それ間違いないやん。と、その時俺は思った。何方か存じませんが。
また、ガシャポンの山を抜けてメイド喫茶に行く。平日は混んでないが土日は階段に並ぶ。
メイド喫茶では適当に話して飯田橋に帰る。これは日常茶飯事だ。
今因みに色々な音楽を聴くようになった。ジャズピアノはビル・エヴァンス一択。彼のプレイはビールで例えるとアサヒスーパードライか、バドワイザーだな。スッキリしている。俺はそういうビールが好き。
あまりジャズギターは聴かない。というか、どストライクなプレイのギタリストが存在していない。
何か、いつもポータブルCDプレイヤーで音楽を聴きながら登下校するのだが、先日、何か芸能のスカウトかなんかに遭った。
なんか最寄り駅の出口で連日俺を呼び止める仕草のスーツの若い男性が二日連続でいた。ここは東京なので足は基本止まらない、し、こっちはロックを聴いてるので、その男性が、何言ってるか聞こえないのだ。
で、昨日、金曜の夜にまた、その男性がいて、その日はポータブルCDプレイヤーでクラッシックを聴いていたので、何て言ってるのか分かった。なんか、
「あなたのこと何日も前から見てて少しでもいいから話をー。」
で、俺はがっつり初めて目が合った。でも足は止まらないで、百メートル位歩いたあと、何だ今の、って思い出してね。足なんか止まるかい。慣性があるから。あはは。帰り着いたら、笹木君に電話で相談した。
俺結構目が尖いからなぁ。目が合った時にアレだった。声を掛けてきた人は、何か怪しい人ではなかった感じ。何かスーツの着こなしも、芸能の事務所かなんかと言われたらそうかも的に思えたりする。
そういえば、クラスメイトの樋熊も昔劇団にいたそうだ。付属の友達のオジーも同じ大学の友達に俳優がいる。
いやー、友達には言わない、この件は。馬鹿と思われる、って、誰がバカやねん。
その日以来スーツのその人は居なかったよ。因みに今は五月である。
笹木君にはホストのスカウトならやめとけと言われたが、全くその男性の雰囲気からしてそれは違うな。まるで違う、堅い感じ丸出しだったよ。
あと、語学のフランス語の授業で男子生徒に話しかけられた。何か政治に興味のある奴だ。因みに二年から語学はクラス授業以外にもある。
何か後々聞くと、
「お前の顔がヘラヘラしていないので、話しかけて、将来俺の助けになるかな、と思った。」
的な事を言う。この朕の顔の件はバリバリ自覚症状である。であるか。
俺はこいつは総理大臣にでもなりたいのか、と思った。ノリが板垣とか大久保である。面白い奴がいるものだ。大マジだ。
名前は、
ゼミの授業は教授の指定したテーマで小説を書く。これが俺はどうも合わない。自由にしたい。二年の歓迎飲み会があった。
夜間と昼間合同。二年の女子の
後日別の飲み会で、鵠沼海岸の先輩とよく話した、今度遊びに行くが、もう一人の先輩もその仲がいい。なんかそこでヤオイというジャンルの文学があると言われ興味を持ち、女子の先輩に借りることにした。
前期の試験期間があっという間に訪れた。相変わらずヒイヒイ言いながら付属の友達は試験勉強している。
まあどんだけ不真面目でも、フル単である。単位を一つも落とさない事をフル単と言う。
と言うより、不真面目故にフル単にこだわる、わかるか?この矛盾が。つまり、手こずると面倒だな、と言うだけの事よ。
後期も、メイド喫茶に、隙あらば御用改めしたった。最低かも知れん。キャンパスにはアキバ系丸出しはいない。まあ日本文学科の我々はほぼほぼアキバ系だ。ファッションには出ないけどな。
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