第2話 続 遠い国の返事 中 海で泳ごう!
ニャーモさんがインターネットで適当に選んだホテルは、お部屋ごとがコテージになっていてとても居心地が良さそうでした。お部屋に入るとエアコンも効いていて涼しく、ニャーモさんはほっとしたようでした。
朝が早かったので少し眠りましょうと、籐のベッドに横になってニャーモさんはすやすやと眠りました。2時間ほど眠って目を覚ますと、ホテルの係の人が昼食を運んできてくれました。ナシゴレンと呼ばれる食べ物とココナツジュースです。トロピカルな料理です。ニャーモさんは美味しいと気に入ったようでした。
「さあ、眠ったしおなかもいっぱいになったし、暑いけれど少し外を歩こうか。」
ニャーモさんはメールボトル19を連れて外に出ました。ホテルのすぐ前がもう海です。「なんて綺麗な海!なんて色でしょう。フィンランドの海なんて灰色がかってちっとも綺麗じゃ無いのに。ここの景色は素晴らしいわね。確かにバリ島って素敵な処。この暑さととんでもない雨がなかったらね。」
「海の色は白夜にオーロラがでたような色だと思わない?」
キリエさんが言いました。
「確かにそんな感じね。スラバヤの海より綺麗?」
「ううん、同じ。スラバヤの海もこんな色だったもの。この辺りの海は全部こんな色なんだと思う。アミメオトメエイさんが言っていたように急に海の色が変わるの。私たちが間違えて東シナ海の方に漂ってしまったけど、そこはこんな海の色じゃ無かったもの。」 暑いけれど風が吹くと気持ちが良く、体も心ものびのびしてくるようでした。
「とろけそうだわ・・・あ、そうだ!泳ごう。ちゃんと水着を持って来たのよ。着替えに行こう。」
「ニャーモさん泳げるの?」
「うん、あまり上手じゃ無いわ。フィンランドの夏は知っての通り短くてそれに涼しいでしょ。だから海で泳ぐなんて一年に一回あるかどうか・・・でも一応泳げる。」
ニャーモさんは水着に着替えました。
「私たちも海に入りたい。」
メールボトル19が声を揃えて言いました。ボトルさんも強く一回傾きました。
「手紙姉ちゃんは7年、私は6年海に入っていないのだもの・・・海で久しぶりに漂ってみたいわ。」
「でも、ニャーモはあなたたちを持っては泳げないわ。自分一人で泳ぐのが精一杯だもの。」
ニャーモさんはそう言いましたが、メールボトル19も一緒に海に入れてあげたいなぁと思いました。バッグの中に何かを探していましたが、見つけたらしく
「これ。このひもでニャーモの手首とボトルさんの首の処を結びつけましょう。そうしたら一緒に泳げるわ。ボトルさんの珊瑚のペンダントは海でなくしたらいけないから、バッグの中に入れておきましょうね。」
ニャーモさんの考えにメールボトル19は大喜びしました。海に入れるんだ!!
ニャーモさんと一緒に海の中に入っていきました。ニャーモさんは平泳ぎで泳いで居ます。その手首に結んだ紐の長さだけ離れてメールボトル19は海を漂いました。
「わーー気持ちいいね。私たちこんな風に漂っていたのよね。ここの海は冷たくなくて、でも暑くないし快適だね。」
手紙さんとキリエさんはそんな話をしてご機嫌でした。ボトルさんも気持ち良さそうにして、軽く一回傾きました。
「本当に気持ちがいいわね。フィンランドの海で泳いだら夏でも水が冷たくて、海から出たらたき火で暖まらないといけないぐらい。こんなに気持ちがいい海は初めてだわ。」 ニャーモさんもご機嫌です。
この後何が起こるかなんて誰も考えもしませんでした。
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