第13話 悪夢の翌日
「昨日はホントごめん!!!」
朝起きて昨日の焼肉屋での大失態を思い出した。恥ずかしくて、穴があったら入りたいよ。
「うん。私は平気だけど。ウーロン茶って言ったのに、ウーロンハイが出てきたんだね」
「そうだったのかな。ヤラレタなぁーー。焼き肉久々だったのに」
「また、行こうよ」
「無理。あの店は当分やめとくよ。オレ、変だったでしょ? 恥ずかしくてもう行けない」
「騒がしい店だし、店員さんも忙しそうで、たぶん楓のこと誰も気付いてないから大丈夫だって」
真奈美は笑いながら慰めてくれた。
記憶はちゃんと全部あった。頭の中の声が止まらなくなって、涙が止まらなくなって、ずっと泣いていた。ただそれだけだ。
「楓、辛かったら我慢しなくていいんだからね?」
「うん。ありがと……」
真奈美がそれをオレに言ってくれるのかよ。一番辛いのは真奈美の方だろう。なのに何でそんなに男前なんだ……
「ずっと我慢していたものが、お酒飲んだ拍子に出て来ちゃったのかな、と思ったよ」真奈美は言った。
「そうなのかな。とにかく、ごめん。次はもっとウマい店行こうな!」
色々溜め込んでいたことは確かだった。真奈美の病気のこと。これからのこと。色々考えていかないといけないのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます