第4話
卿子をヤケクソに抱いた後味は
最悪だった。
まるでボクが天下の大泥棒
石川五右衛門のような感じだったのだ。
(んっ?うまくたとえられてるか)
「よかったでゲス」
卿子はそう言ってくれたが、ぼくは
到底、自信が持てなかった。
「ハルさんにだかれたこと
わちきは一生わすれまへんおひょ」
早く忘れてくれとボクは念じたが
どうやらそれは無理のような感じだった。
「ハルさん」
「ナニ」
「わたしハルさんの子供を身籠ってしまったよう
なんでおすえ」
「ブッ」
ボクは飲んでいたビールを吐き出した。
「いま、やったところだろう。そんなに
早く結果がわかるわけが」
「占いに出ておす。赤ちゃんの名前まで」
卿子がニタリと笑った。
背筋が凍るほど嫌な笑いだぅた。
コンドームをつけなかったことを
ボクは死ぬほど後悔した。
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