【022】翌日 とある商業学校 2階 1-E教室

ショウも、サッキーに合わせるように手を振る。


電車のドアが閉まり発車するまで、ゆっくりと見送っていると


間も無くして、反対側に降り電車が入ってきた。


ショウは、乗り込むと目の前に空いていた角の座席に腰掛け、スマホを取り出す。


SNSアプリを立ち上げ、タイムラインに自動表示されている話題や最新ニュースをスルスルと読み、ゴトンゴトンと揺られながら、自宅へ帰るのだった。




翌日 とある商業学校 2階 1-E教室


3限目の授業が終わり、お昼休み。


教科書を片付けたショウは、窓際の席から外を眺めていた。


校庭には、桜の木が沢山植えてあり、桃色に包まれた景色が美しかったのは、つい先日まで。


急に起こった強風より、あっという間に散ってしまって。わずか一日で緑色で普通な景色になっていた。


青々とした葉っぱに衣替えした、平凡な桜の木を観察していると。


近くの木陰に、二人の女子生徒を見つける。


何やら話し合いをしている様子で、ショウは釘付けになっていた。


(ん?あれ、サッキーぽいな)


身振り手振り、遠目でも慌てている様子がわかるのがサッキーで、相手の女子生徒は、腕を組みながら髪を撫でる仕草をしている。なんだか偉そうな態度に思えた。


すると話が終わったのか、サッキーがうつむくと、フンっと言ったように体をひるがえし去っていく女子生徒。


「んー」と声を漏らすショウ。


机に肘をつき、何かあったのだろうと察していた……

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