【016】もう諦めてる?退学しちゃう?

「サッキーはさ、もう諦めてる?退学しちゃう?」


ショウは、サッキーを見つめる。


「えっと……」サッキーは、ショウから目線を外し遠くを見る。


一呼吸おいてサッキーは、ショウへ顔を向けて話を続ける。


「えっと、私の実家、お花屋さんなんです」


「へぇ?、花屋」


「はい、ひぃおばあちゃんが始めたお店なんですが、今は母が後を継いで経営しています」


ショウは、軽くうなずきながらサッキーの話を聞く。


「私も母の後を継いで、お店を残して行きたいのですが、時代なんでしょうか……最近経営状況が良くなくて……」


「そっかー、花屋の経営ね……考えたことは無かったけど、難しい事情がありそうだ」


「はい……理由は色々あります。おばあちゃんの代から、ずっと来てくれるお客さんもいるのですが……」


「うん」


「時間の経過と共に来てくれる人が減っているのに、新規お客さんが増えなくて大変です」


「新規のお客さん……か」


ショウは、道の片隅に落ちていたチリ紙ゴミを拾いながら考える……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る