第14話 父が退院してくる

話を戻し、三か月間の入院とリハビリを終え、父が帰ってきました。


病院食でしたのでかなり痩せています。


命があってよかったですが、病院で一時的なエセ悟りを開いてしまったらしく、言っていることが一時宗教じみていました。病院で似たような仲間の中でリーダーシップをとっていたようです。


なんか退院したばかりの時は後光がさしていたような……。


ただ病院という空間から家に戻り、現実を知るたびに「もう命がだめかも」とか「死にたい」と口走るようになりました。


歩けていたのが急に歩けなくなるって辛いですよね。立つことさえままならない。


行きたいところに行けない。トイレも苦労する。


これは相当にしんどいと思います。そして他人事でもないです。


私にろ、家族にしろ、友達だって、いつどうなるかわかりません。


病気に限らず、事故で歩けなくなるかもしれませんし。


特に遺伝的なものだとしたら、私も父と同じ病になりうる可能性があります。




父は一階で生活するようになります。二階はまだ工事中です。


並んで寝てました。これも着替えが大変……。起きる時間も早いから大変……。


父は、病院の中の教祖的存在から凡俗を知るたびに、不安定になって行きます。


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