妄想代理人
——居場所のない現実こそが本当の居場所
こんにちは。今回も作品を紹介していきたいと思います。
今作は今敏監督によるTVアニメの「妄想代理人」を紹介していきたいと思います。
おおまかなあらすじです。
月子という少女がいます。彼女は「まろみ」というゆるキャラのデザインをし、そのキャラクターが社会現象になるレベルで人気を博します。
脚光を浴びているその裏では仕事に行き詰まっていました。そんな時に、とある通り魔に襲われるのでした。
彼女は赤い帽子に、ローラースケートを履いた少年に金属バットで殴られたという供述をする。世間はそれを「少年バット」という通称で取り上げることとなる。
刑事は月子の供述に矛盾点を感じ、ただの自作自演ではないかと疑うのだが、次々とその「少年バット」に襲われたという被害者が出てくるのだった。
というのがおおまかなストーリーになります。ジャンルとしてはミステリーになるのでしょうか。
「少年バット」というのが何者なのだろうか、というのが今作の中心部分になります。
今作も今敏監督らしい作品で、夢と現実が混ざり合った奇妙な世界観で物語が進んでいきます。
この作品は月子が主人公というよりは「少年バット」が主人公——つまるところ彼を中心にしたオムニバスストーリーというものです。最初は月子の話から、ほかのキャラクターにフォーカスを当てていき、中盤に至っては月子の話はそっちのけ、大筋を無視した短編が始まっていきます。
登場キャラは「少年バット」に対して執着をしています。そして、被害に遭った人たちは何かに悩んでいて、そして襲われた後に悩みから解放されたようになるという共通点があります。
「少年バット」は誰でもなくどこにでも現れる。彼の正体とはいったい何なのか。そう推理するのも楽しめる作品となります。けれど、後半はファンタジーのようなものになってくるので、なにやってんだ? なにがしたいんだ? と混乱するので要注意です。
個人的には8話が一番好きで、大筋から完全に外れていく回なのですが、このほのぼの感が面白いです。このストーリーはじいさんと青年と少女の3人の物語なのですが、彼らは自殺するためにネットで相談して集まった3人です。最初は少女だけを生かすためにじいさんと青年は少女から逃げるのですが、ついてきてしまって3人で自殺をするための旅に出かけるというお話なのですが、話の割にはコメディ色が強くなっており、ほんわかで温まるストーリーになっています。「少年バット」は20秒も出てないんじゃないかくらい、本当に筋から外れているのですが非常に好きな回です。
個人的には5話だけつまらないという印象ですが人それぞれだと思います。
今作のラスト付近ですが、刑事さん関係のお話もすごくよく、現実主義の方だったのですがとうとう辛い現実を直視できなくなり、いわゆる妄想の世界に逃げ込んでしまうのですが、そこから覚醒し脱出するシーンがあるのですが本当に大好きで、このシーンの為にこの作品があるんじゃないかくらいの名シーンとなっています。
その時のセリフが、このレビューの冒頭の言葉になります。
これも今作を象徴したセリフなのかなと個人的には思います。
以上でレビューは終了です。結構というかめちゃくちゃかなり人を選ぶ作品とはなりますが、もし少しでも気になりましたらぜひ観てみてください。
失礼します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます