第5話 勇者と事故物件遊園地デート!

  今日は幸せな一日。

なぜなら、勇者と出会えるのだから。

勇者禁止令は出されたが、それは俺に対してものではない。このアルトワさんの家に対してのものなので勇者が近づくことは禁止でもどこかで会うことは禁止されていないのだ。





「よし、準備しようか」

俺は、メイド様に用意されているブランド品の服を着て、遊園地に向かった。


「久しぶり! オリヴィアちゃん」

「快斗くん、早くジェットコースター乗ろう!」



二人はそしてジェットコースターに乗った。そのジェットコースターはお化けが出るジェットコースターと有名だ。

何しろ、ここの遊園地は事故物件を安く買った遊園地だ。

そして、そのアトラクションがある場所は昔、自殺した霊が出るので有名だった。


「オリヴィアちゃんは、何でこんなところに誘ったのだ?」

「それを何でOKしたのだ?」


そのお化けが出るジェットコースターにはやはりお化けが出た。

ぬいぐるみか?

人形か?

なんて思ったが実際にお化けだと分かってしまった。

トンネルでお化けが出て自分をすり抜けてしまったのである。

そのすり抜けた頭にはいつの間にか濡れた涙のようなものが数的かかったいた。




彼女も怖いよな、こんな怖いもの。

俺と同じことを思う仲間いると信じ彼女の顔を見た。だが、オリヴィアの顔は嬉しそうだった。

ジェットコースターが好きなのか?

それともお化けが好きなのか?


俺は両方のパターンで聞くことにした。しかし、彼女の答えはNO。


「私はこのモンスターとやらに興奮するのです」


お化けを見て、勇者オリヴィアはお化けをモンスターと勘違いした。



確かにお化けの森という所では勇者はお化けモンスターと戦ってきている。

今回も彼らなのだろう、と感じた。



そして、勇者は彼らと戦うことを好きである、というか興奮する。


彼らは独自の文化で発展し、相手を殺そうとしている。ところがそれは人間も同じで文化を発展して相手を殺す。



現在では、勇者の誕生によりモンスターは戦いで負けることが多いがたまに勝つこともある。


それは弱いようで強い。


これに当てはまっているモンスターは強いことが当てはまっている。



今回の相手はお化けモンスター。

勇者は勝手に一人で相手を考え、ジェットコースターに乗った。そこには思いもよらぬ相手がいた。



勇者の妹である。



彼女は、姉が勇者になったことを悔やみVR世界で自殺した。普通であれば自殺すれば姿はなくなるのだが霊として残ることで彼女は永遠にここに残っている。



「流石にこれは切れない」




妹のエイヴァはジェットコースターに乗っていたのがオリヴィアだと分かった。


「お姉ちゃん、彼氏できたの? 最悪!?」


エイヴァはオリヴィアが俺のことを彼女だと勘違いした。俺にとっては嬉しいのだが、彼女にとっては分からない。

まだ気持ちを確認したことがないので好きかどうかが分からないのだ。



「オバモン襲来」


勇者オリヴィアはこの乗り物に乗っている間、ずっとこの言葉を唱えていた。



ジェットコースターを降りると勇者オリヴィアは除霊をした。

これは城で教わった技術でこの方法を使うと霊につけられた涙や霊の呪いなどが消えるらしい。



「よし、終わったね。次、何行くの?」

「お化け屋敷向かおう!」


二人はその後お化け屋敷に向かった。ここは事故物件を買い取った遊園地ということもあって一番の魅力はお化け屋敷だ。


「お化け屋敷お二人さんの挑戦でいいのかい?」


ここのお化け屋敷は何分間耐えれたかではなく何歩歩けたかで決まる。

それくらい怖いのだ。

その際に課題が出てくる。

課題をクリアするとさらに点数を加算することができる。


「では、カップルのお二人さん。よ〜い!」


カップルは二人で進むことができる。俺たちはカップルではないがその嘘をついていた方が券も安く買えるし二人でも歩いていける。いいことずくめなのだ。



俺たちの挑戦が始まった。


一歩目。

まぁ、大丈夫だろう、なんて思って二人は足をそっと出すとパンダが目の前にきた。このパンダは臓器が全て見えていた。


「これからもよろしくね」


パンダが急に話しかけてきた。

「それより、お前、臓器見えているじゃないか?」

しかし、オリヴィアはそんなことは平気で丁寧に挨拶をした。


「課題クリアで〜す」

「これで課題はクリアか、簡単だな」


オリヴィアがクリアしたくせに俺はなぜか自慢げに話していた。こうしていないと俺は心がもたないのでそうすることにした。


次は、簡単だな。

俺は勝手に決めつけ何歩も歩いた。そこには謎のハンカチがあった。その正体は一反木綿だ。彼は、昔は人間だった。

昔はバレエボールをしている少年だった。でも汗っかきのせいでよくハンカチを使う。そのせいでハンカチ野郎とかハンカチの無駄使いとか言われ虐めにあって苦しい人生にあった。


そして、彼も自殺してしまった。その恨みを汗っかきではない人全員にしているのだという。


「汗っかきの呪い」


この呪いは汗っかきになることで一分後には亡くなっているのだという。

流石にこれは受けられない。

俺たちはそう思い、横にある非常口から出ようとした。


「あれ、出れない?」

「もう、君たちは死んでもらうしかないよ」


一反木綿によって呪いがかけられた。これによって数分で彼を倒さなければ死ぬことが確定している。


意外と一反木綿はすぐに倒せた。オリヴィアの魔剣があればどんな妖怪でもモンスターでも倒すことができるので一撃で倒せるのだ。


「よし、倒せた。すぐにゴールに向かおう。」


この一反木綿がラスボスっぽかったため、俺たちはすぐにゴールに向かった。


「お帰りなさい!よく出られましたね。ここを出られたのはあなたが初めてです」

「おい、苦労して出られたんだ。何か特典はないのか?」

「それならありますよ。それぞれ好きな願いを一つ叶えることができます」


二人はそれぞれ好きな願い事をした。

「じゃぁ、今回一反木綿と戦った際に魔剣が壊れたのでもっと丈夫で大きい魔剣を作ってくれ」

「確かにそれはいいな……。」


その後、俺は何にしようと考えた結果一つの答えが出た。


「俺のランクをSランクにしてください」

「ごめんさい、流石にそれは無理です。でもAランクに上げることならいいですよ」


俺はそれで我慢した。ハズレ職業のAランクはなかなかいないと思ったからである。


「それとお二人にどうぞ。紫キノコです。これを食べると凄く大きくなるか小さくなります。いざっていう時に使ってくださいね」


俺たちはそれをもらい、このお化け屋敷を後にした。お化け屋敷を去ると二人はそれぞれの家に帰った。


















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