第3話 飼育員さん専用の家を作ってくれるのでした。
「今日も大変だろ」
アルトワさんは声をかけてくれた。
彼は飼育をすることはもちろん、家に帰ることも大変だと思っていた。
新庄快斗の家は、ここから50キロ離れた地点にある。そこに毎日往復しているのだから快斗はいつかしんどくなり、動けなくなることがあるのではないかと考えたのだ。
そこで、お世話開始三日目。
快斗にあることを提案した。
「ねぇ、快斗くん。毎日歩いて帰るのはしんどいだろう! だから、俺は、君の専用の家を作ってあげるよ」
「そうなんですか、ありがとうございます」
次の日から、俺の家の制作が始まった。
その間もミクの世話をしていた。
五日後、俺の家が完成した。
「おぉ、快斗くん! 完成したら最初に君に見せたくてねぇ」
「最高です! 中に入ってもいいですか?」
快斗とアルトワの二人は中に入るとそこには沢山のメイド様がいた。
「お帰りなさいませ! ご主人様!」
メイド様たちは俺の着ていたコートを脱がしてくれるとハンガーにかけ謎の機械に、ハンガーをかけた。
「これは何ですか?」
その機械を目にして「謎」っていう顔で歩いているとアルトワさんがその機械の説明をしてくれた。
「これかい。これはね〜」
その機械はハンガーかけるだけよという機械らしい。ここは二階。ここの壁についている鉄棒の棒のようなものにハンガーをかけるとそれがそのまま一階まで向かい、一階にある俺の洋服をしまう専用の部屋にダイブする。
また、その途中(二階から一階に向かう最中)で自動的に洗濯と乾燥機をする作業が行われる。
その特殊な機械を見て、俺は何となく驚いた。
それから螺旋階段を降り、一階に向かう。
そこで俺たちはあるものを発見した。大量のクローゼットしかなかった。そのクローゼットは横に三十メートルもありそこには色々な種類の服が飾ってあった。
「では、次に地下一階に向かおうか」
俺は、また螺旋階段で地下一階に向かうとそこにはお風呂があった。
「うわぁ〜、最高に広い場所ですね」
「そうだよ。ここに広いお風呂を作ったんだよ」
「凄いですね。それに、サウナと水風呂、温泉があったのであった」
まず俺は服を脱ぎサウナに入った。
あったかいな。
最初はそう感じていた。
でも、いつの間にか熱くなった。
それでもそこに座り続け、我慢をした。
十分後、我慢の限界がきた。
俺はすぐに水風呂に入り、体を冷やした。
「あぁ〜気持ちいいな」
この作業を5、6回繰り返しサウナに入るのを終わった。
「どうかい、気に入ってくれたかな」
アルトワさんは快斗に聞いた。
「最高です。サウナ気持ちよかったです! 温泉も入ってもいいですか?」
「ぜひ、入ってください」
「では、入りますね」
俺は温泉に入った。
「温泉か〜! 久しぶりだな」
そう思いながら、温泉に入るとそこは凄い場所であった。
見た目では、オレンジ色?
いや、橙色というべきか?
この色をしている温泉に入浴するとそこは普通の温泉とは違った。
そこは、熱くもなく冷たくもない、自分に適している湯加減である。
「ふわぁ〜」
つい呟いてしまった。
最高に良すぎる。この温度。
設定温度は42度に設定されているが、普通の42度とは違う気がする。それに、背中にジャグジーがついている。
ここは最高の温泉だと思った。それに、お世話をして疲れた後に温泉を使用すると、より気持ちよく感じる。
疲れた仕事の後の温泉は最高ってことだ。
その温泉に入り終わると次はシャワーをした。シャワーもシャワーヘッドが特殊なもので出来ており、肌に当たっても全く痛くなかった。
その上、当たるのが気持ちいいほどに出来ておりシャワーをするだけで美肌になれる効果もあった。
サウナや水風呂、温泉に入り終わると俺はバスローブを着てタオルで頭を拭いた。これをしてドライヤーで髪の毛を乾かした後、用意されていた新しい服を着た。
「どうぞ、これが新しいお召し物です」
メイド様は、そう告げ俺にピンクのTシャツと黒色のズボン、水色のコートを渡してくれた。
これは全てブランド品で快斗には買えないものであった。
「こんな高いもの、着れないですよ」
「何言ってるんですか、快斗様! アルトワ様のペットのミク様のお世話係をするのであれば、これくらいの服は着ていただかないと」
「いや、でも払えないってば!」
「それならば問題ありませんアルトワ様が全て無料で提供することができます。それに何か欲しいものがあればプレゼントもしてくれるそうですよ」
「それなら……。」
俺は、その話を聞き、つい嬉しくなってしまった。オシャレには興味があるのでその話は最高に嬉しかったのである。
これで家の説明は終わった。
服を着替えて入浴するだけに作られた施設。
それが、この家だ。
もちろん、もっと広くしてほしいとの願望があればすぐにその願望を聞くし何か家電なども買ってもらえるかもしれない。
現在の時点では、この広さだが、俺が偉くなるたびにプレゼントとして家を広くするか家電をもらう。
このルールを作り俺はこの家に住むことにした。
最初は大量の服やクローゼットとお風呂しかない家だが工事して俺もこの家を最高の家にしたい。
今日はこれで終わり、夜にミクのお世話をすると自分の家に帰った。この家はカードキーで入るのでホテルの様だな、なんて思いながら自分の家に帰った。
「お帰りなさいませ。 ご主人様! 今日の夜ご飯は何にしますか?」
そう質問され、寿司で、と答えるとVR異世界にあるデパ地下でパック寿司を買ってきた。
「どうぞ」
俺は楽しみながらその寿司を食べていた。
マグロ、サーモン、ホタテなど様々な種類が入っていたがそこに一番大好きなネタのカンパチが入っていたので美味しく食べた。
「いただきま〜す!」
食べ終わると、いつの間にか寝てしまった。
クローゼットの前に布団を敷くとそこですやすやと眠りについた。
これで今日の一日は終わった。
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