第2話 猫系獣人はゲーマーギャルでした!
「Sランク冒険者になれるかな」
俺は、今日もミクのお世話をした。
「今日からあんたが私の世話係?」
「そうだよ、よろしくね」
挨拶をするとミクの背中を撫でた。
「何、撫でるのよ!」
(いや、世話をしているだけなんでけどな)
昨日は大人しく、撫でさせてくれた。なのに、今日はなぜか怒っている。
「何で、怒っているの? 昨日は撫でさせてくれたじゃないか?」
「昨日は、ご主人様がいたでしょ」
「でも、今日はあんただけ。だからこんな態度とっているの」
ミクはギャルの様な口調で話し始めた。
ギャルみたいだね、なんて思いながらも現実世界のことを聞くのはタブーだと思い俺はミクの世話をする。
「あんたって、現実世界でも人のこと世話ばかりしてるの?」
ミクが突然聞いてきた。確かにミクも中身は人なので人間のお世話をしていることになる。
「いや、そんなことないけど。」
俺は人のお世話をしている暇があったらゲームをする感じだな。
そう答えた。
それに気が合ったらしく、ミクも同じ答えをした。
話し方を聞いているとギャルだが、彼女は普通のギャルではないっぽい。
表ではギャルのフリをしているが裏では完全にゲーマー。
この二つの顔を持っていることが彼女の話し方だけで分かってしまった。
「このゲーム何年やってるの?」
俺は少し質問をしてみた。これで彼女のゲーム歴が大体分かる。
「12年です」
「え、このゲームってそんな前からあったっけ?」
「無料版は8年前からしかやってないんですけど、有料で2年前からやってます。それに、私テストプレイヤーだったのでその前からやってるんですよ」
それを聞き、私は驚いた。これで彼女が戦争で生き残った理由が分かった。街全員で隠した娘の猫系獣人は、生き残った理由が分かっていたが村で一番強かった猫系獣人は生き残っていた理由が分からなかった。
娘の方は絶対に見つからない場所に隠したんだろう、なんて思っていたが村で一番強い猫系獣人の方は普通であればすぐに殺される。
強いものほど集団で殺すというのが人間の考えであるのでたとえどれだけ強くても殺されると思っていたのだ。
しかし、この猫系獣人はレベルが違う。
一人で何人でも相手にすることができるような技術を持っている。
それは元々の技術の上手さもあるがこの世界で生きてきた力も所持しているのだ。
そのため、彼女は戦争で死なずに済んだ。
それで、現在はアルトワさんに助けられ、彼のペットとして暮らしている。
そのミクの世話を俺は朝もすると今日は夕方だけになった。
あと、夕方に夕飯を用意し彼女の身だしなみも整える。
ミクは、ギャル系ファッションをしている時としていない時がある。
している時は、ヘアメイクや猫系獣人専用のマネキュアなどもして身だしなみを整えでいる。
これは気分が上がっている時や彼氏を探す旅に向かう時などにつけている。
また、していない時。
それは、完全にこのゲームを楽しんでいる。
説明すると、のんびりしながらゲームを満喫していたい。
他にもこのゲームにのめり込んで楽しみたいタイミング。
このようなゲーム以外考えたくない時にファッションをしていない。
この時は、パジャマで過ごし、だらしない格好で一日を過ごしている。
朝の仕事が終わるともう夜まで自由で仕事がない。
俺はその間にショッピングをしよう、そう思いショッピングセンターに向かった。
ミクの仕事をするまでは給料をもらっていなかったのでオシャレをしようと思っても服を買えなかった。
だから、俺は着ていたシロクロのTシャツやズボンを着て街を移動していた。でも俺ももう大学一年生だ。現在、五月なので大学には入りたてだがこれでも上手く大学でやれている。
大学一年生になったので、俺はオシャレに目覚めた。
「この服着てみない?」
きっかけは親友のこの言葉であった。
俺は今まで挑戦したことがなかったピンク色のTシャツを着てみた。それが意外としっくりきて、これからはこの色も着てみようかな、なんて思っていた。
なので、俺はすぐに買い物に出かける。
今日お気に入りの服があればいいな、と思いながら。
ピンクの服があればいいな、と考えながら。
ショッピングモールに着くと、すぐにピンクのTシャツ屋さんに向かった。
ここは、ピンクのTシャツ専門店なので何かいいものが見つかりそうだ。
俺は、パッとみて良さそうな服とじっくり見て良さそうな服の二つを選んだ。
その二つを見比べて比較した。
パッと見て良さそうな服は、ピンクのタキシードでどこかに着て行く時に使えるかと考えた。
次に、じっくり見て良さそうな服はピンクのTシャツである。
Tシャツの前と後ろにyou are a pig(あなたは豚です)と書かれていたので面白かった。
二つで迷ったのだが、やはりタキシードを着る機会など滅多にないと考えこのTシャツを買うことにした。
それが終わると、もう夜になったのでミクに夕飯を与えた。彼女は疲れて寝ていたが夕飯を与えるとガブガブと夕飯は食べた。
「ニンジンは抜いているわよね」
彼女が確認するとそれに頷き、ニンジンが入っていないことを証明した。
夕飯を終わると今日はミクが疲れていたので俺は自分の家に帰ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます