ハズレ職業ですが、猫系獣人をお世話することでSランク冒険者になりました。
@naritagento
第1話 ハズレ職業をもらってしまった。
VRゲーム。
それは、現実の能力を使いゲームを始める行為である。
ダメージは受けても、怪我はしないため皆は楽しく遊ぶことができるのだ。
このVRゲームにはゲームを最初にする際に能力決めがある。
これは、何度ゲームを途中でやめても毎回貰う能力は変わらない。なので、皆は現在の能力を使い、戦うしかないのである。
俺(新庄 快斗)も能力を試すテストをした。この結果によって決まるのだが、彼の結果は最悪であった。
剣術 E
銃能力 E
生き抜く力 E
ご飯を作る能力 E
能力が決まると次は職業決めだ。
でも、俺の能力では魔法使いは愚か、勇者や兵士にもなれない。
そこで、快斗は救済の措置を取ることにした。
このVRゲームには救済の措置が備えられている。これは非常事態のみ使えるものなのだが、それを使うと全てEの能力がDくらいにはなるのだ。
でもその代わりにハズレ職業というものを持たなければいけない。
これはスキルのようなもので普通であればファイヤーソードや眠り薬などスキルをスキルは最初に一つ持つことができるのだが、そのスキルを持たずに「ハズレ職業」というスキルを持って開始させられる。
これはあまり役立つものではなく、時には不利に働くこともある。この様な状態で俺はゲームを開始しなければいけない。
そのテストでその様な結果をとったので、ハズレ職業という選択肢を選ぶしかない。
「ハズレ職業」
それは、普通の職業ではない何も活躍ができない職業。
快斗が決まったのは、ネコミミノオセワという職業であった。これは、ハズレ職業の中でも面倒臭い職業で猫系獣人のお世話をしなければご飯が食べられなくなるというものであった。
もし、一日間お世話をしなければ腹が減って死にそうになる。
二日間、お世話をしなければ飯が食べれない体へと変わっている。
三日後には自分は亡くなっている。
その怖い職業に皆は怯えているためこれはハズレ職業となったのだ。
それにこの街には猫系獣人と呼ばれる人が二体しか残っていない。
昨年、人間とエルフが猫系獣人を襲う戦争を仕掛けたのでその生き残りが二体しか
いないのだ。猫系獣人は戦争をしたことがなく戦いの知識がないので襲われたら殺されるだけであった。なので、街全員で隠した娘と村で一番強かった猫系獣人の二人しか残っていない。
俺はそれを聞き、すぐにどちらかの猫系獣人の元へと向かった。
「やべー、あと三日で俺は死んじまう」
そう叫びながらすぐに猫系獣人を探した。
意外と見つけたらわかりやすいだろうな、なんて思いながら探す。
話によると思っていた通り黄色で虎のような猫のような格好をしているらしい。
当たり前だが、尻尾と耳はついていて優しい。
でも、猫系獣人も一応人間だ。ここはVRゲームの世界なので中身が人間であることを忘れてはいけない。人間であるということは中身がどんな邪悪な人かどうかも考えなければいけない、ということだ。
猫系獣人が邪悪な人かも知れないということを忘れずに俺は向かう。
どこかで情報を聞こう。
俺は、すぐに決心し情報を聞いた。猫系獣人の場所を特定できる情報を猫カフェで聞くことにする。
「僕は知らないですね〜、猫系獣人は出会ったことがないですから」
丸メガネの男性がその情報を教えてくれた。
しかし、その情報は全く役に立たない。そこで何人かに話を聞いた。ほとんどの人はこの男性と同じ意見をしていたがアルトワさんだけは違う意見をしていることが判明した。
「私は家に帰る最中によく会いますよ。手を振ったら、振り返してくれるんですよ」
「え、家はどこですか」
「ごめんなさい、それは教えられません、ついてくるなら良いですよ」
「では、明日出発するんで待っておいてくださいね」
俺は、明日に猫系獣人が会えることが分かったので今日はすぐに横になった。夕飯を食べても明日には腹が減って死にそうになることが分かっているので何も食べずに寝たのであった。
次の日、朝八時に昨日の猫カフェに集合すると二人はそこから馬車を使い、アルトワさんの家まで向かう。
「広いですね」
つい呟いてしまったがアルトワさんは平気な様子で返してくれた。
この様なことを言われるのは慣れっこな様だったのだ。
二人はそれ以外にも猫の雑談などをしながら時間を潰すと、目的地の猫系獣人の場所に辿り着いた。
「なんで、こんな所に猫系獣人がいるんですか?」
つい聞いてしまった。
ところがアルトワさんは普通に返してくれた。
「実はこいつ、俺のペットなんだよ。今、お世話がかりを探しているんだけどさ、なかなか良い人が見つからなくて」
「そうなんですか、少し触らせてもらっても良いですか」
俺はなぜか、この猫系獣人の名前が分かった。ミク?
名前が分かったので呼んでみた。
「ミク〜!」
するとやっぱり正解。
この猫系獣人の名前はミクであった。
その後、なんとなくお世話をする。
キャットフードをあげる際ににんじんをあげてはいけないことが判明した。
その様に色々な点でお世話をした結果、アルトワさんに驚かれた。
「君さ、なんでそんなことまで分かるの、 ここで働いてくれない?」
アルトワさんのペット係はにんじんをあげていた。そのため、ミクは毎回下痢をして困っていた。その様に俺が一瞬でミクの困っていた点を解決してしまったのでお世話係に任命されたのだ。
これは悪い話ではない。
俺のハズレ職業を使ってお世話することができるし、貴族にもし認められることがあればSランク冒険者にもなることができるかもしれない。
だから、このお願いを受け、今日からミクのペット係になったのであった。
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