第2話 ガニメデの詳細
このガニメデ有人探査の目的は、ガニメデの生物をできるだけ多く観測及び採取し、ガニメデの生命の起源を辿ること、及び、生命の進化に関する有益な仮説を得ることである。以下にガニメデの詳細を記す。
ガニメデは木星の第三衛星で、太陽系内の全ての衛星の中で、質量、半径ともに最大である。直径は5,268kmであり、地球の衛星である月の1.51倍である。惑星である水星よりも 8% 大きいが、質量は水星の 45% にとどまる。そして、磁場を持つことが知られている唯一の衛星である。木星の衛星全体の中では木星から7番目に近い衛星であり、ガリレオ衛星の中では3番目である。
公転周期はおよそ7日と3時間である。ガニメデは潮汐固定されており、自転周期と公転周期が同じで、同じ面を常に木星に向けている。そのためガニメデにおける一日は、7日と3時間に相当する。
ガニメデは完全に分化していると考えられており、硫化鉄と鉄からなる核、ケイ酸塩岩石のマントルと、水の氷および液体の水の外層からなっている。
厚さ 150 km のガニメデの氷の表層の下に深さ 100 km の海があり、その水の量は地球の海よりも多いと考えられている。
ガニメデはケイ酸塩岩石と水の氷がほぼ半々の組成からなっている。薄い酸素大気を持ち、成分として酸素原子 (O)、酸素分子 (O2)、そしておそらくオゾン (O3) を含む。
探査機ガリレオと地上観測で得られた高分散の近赤外線と紫外線でのスペクトルでは、水以外の様々な物質が検出されている。検出が報告されているのは、二酸化炭素、二酸化硫黄であり、またジシアン、硫酸水素塩や様々な有機化合物と思われる特徴も報告されている。ガリレオの観測結果からはさらに硫酸マグネシウム (MgSO4) と、おそらくは硫酸ナトリウム (Na2SO4) もガニメデ表面から検出されている。これらの塩化物は内部海に起源を持つ可能性がある。ガニメデの二酸化炭素ガスはおそらく過去に枯渇してしまったのだろうと考えられる。
表面での大気分子の数密度は (1.2-7)×108 cm-3 の範囲であると考えられ、これは圧力に直すと 0.2〜1.2 µPa に相当する。ガニメデの表面にある氷に放射が当たることによって水素と酸素に解離し、水素は原子量が小さいため急速に失われてしまう。
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