第11話 私だけのものになってくれる?
どんよりとした微睡みの中、徐々に意識が覚醒していく。
昨日見た光景……あれは全て夢だった……そう自分に言い聞かせようとするが未だに拘束された手足と俺の胸の上の一矢纏わない姿の幼馴染の存在がそれを許さない。
「おはよう悠斗、昨晩は楽しかったね♡」
彼女はとても満足そうに俺に笑いかける。
昨日のことはよく覚えていないが一つだけよくわかっていることがある。それは綾に徹底的に体力が尽きるまで襲われたことだ。
「綾……これを外してくれ……」
「だーめ。それ外したら悠斗私から逃げるでしょ?」
「絶対に逃げない」
「そんなこと言っても駄目だよ悠斗。悠斗は私が傷つく嘘をついたんだから。」
それを言われてしまうと本当に何も言い返せない。
綾が俺に依存しすぎていると判断して距離を取ろうと彼女ができたと嘘をついたのは俺の選択。その結果綾はさらに重症化してしまった。
もはや言い逃れの余地はない。
「はぁ……悠斗の匂い……悠斗の温かさ……悠斗の体……ふふふ……悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗悠斗」
蛇に睨まれたカエルのように俺の背中に悪寒が流れる。
この拘束がなければ俺は今すぐ逃げ出したいきぶんだ……
「ごめん……俺が全部悪かった……だから許してくれ……」
最早俺に出来ることはただひたすらに謝ることしかない。
それしかこの状況を変える手段がない。
「悠斗……わかってくれて嬉しい。いいよ。許してあげる。私は優しいからね。」
喜びそうになった瞬間、綾の目が黒く濁っているのを見て俺の一縷の望みは塵となって消え失せた。
「その代わり悠斗の全部を貰うから。」
綾が狂気的な笑みを浮かべ俺の頬に触れ慈しむように優しく撫でる。
表情と行動との差に綾が何を考えているのか全くわからなくなった。
「悠斗、私の……私だけのものになってくれる?」
「それは……無理だ……」
「ふふ、そうだよね。悠斗ならそう言うと思った。悠斗は昔からなかなか私のものになってくれなかったもん。だから——私は悠斗が私のものになるっていうまで何回も襲う。」
綾が俺の上へとのり下腹部と手を伸ばす。
「そう、悪い悠斗にはお仕置きして二度と私に嘘をつけないようにしてあげなきゃね。」
「ごめん……! 綾、許してくれ……!」
「嫌がる悠斗もかわいい。でも安心してすぐに私無しじゃ生きていけない身体にしてあげるからね。」
その直後綾が俺の唇を奪い、俺は再び綾にされるがままにされた。
あとがき
最後までお読みいただきありがとうございます!
次回で完結します!
どうか最後までお付き合いいただけると幸いです。
新作投稿しました!
『クラスの英国美人姉妹の家に住み込みで働くことになった』
甘々なラブコメになっていますので是非読んでみてください!
URLはこちらです。
https://kakuyomu.jp/works/16818023212580639280
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