第10話 お仕置きしなきゃね?
「ねぇ、悠斗……なんで私に嘘ついたの?」
確信したような表情で綾が静かに問う。
まさか……バレた……のか? いや、そんなはずは……
「……何のことだ?」
「正直に認めたら少しのお仕置きで許してあげるよ?」
「……分からないな」
「そっか、じゃあ仕方ないね」
意外にも綾はあっさりと引き下がった。
なんだ? さっきのは鎌かけだったのか? 一体どういうことだ?
「私ね、最近ずっと調べてたんだ。悠人の彼女のこと。でも調べても調べても見つからなくて……それで私ここ数週間の悠斗の動きを監視してたの。でも悠斗は休日も彼女と会う様子もなかった。」
「そ、それはテストが近かったし、少し電話をするくらいしかしてなかったんだよ」
「嘘言ってもだめだよ、悠斗。言ったじゃん。私、悠斗を監視してたって。彼女と電話してないことくらい監視カメラと盗聴器で全部わかってるから。」
監視カメラに盗聴器……そんなものいつから……
ま、まずい……これは……!
「もういい訳はいいよ、悠斗。私、怒ってるんだよ? 私、こんなに悠斗のこと思ってるのに悠斗はわかってくれないんだもん。ねぇ、悠斗何で私にそんなひどい嘘ついたの?」
俺の背筋にゾクリと気持ちの悪い悪寒が走った。
今すぐこの場から逃げろと本能が告げている。
すまん……綾……
心の中で幼馴染に謝罪をしてから足に力を入れこの場から逃げようとするも全く力が入らない。
な、なんで……確かに今足に力を入れたのに……いや、足だけじゃない。手も思うように力が入らない……全身が重い……
「悠斗……もしかして今逃げようって思った? もちろんできないから安心して。それに、そろそろ薬も効いてくるからだろうし。」
「な、何を言って———っ!?」
その直後視界がぼんやりとぼやけ、猛烈な眠気が襲ってきた。
なん、だ……この……猛烈……な……眠気……は……
今まで感じたことのない強い眠気に意識が朦朧とする。
ま、まさかさっきのコーヒーに何かはいってたのか!
「ふふ、悠斗無理しないで。ほら私が膝枕してあげるから。」
綾に引き寄せられるだけで俺は抵抗も出来ず力なく倒れた。
そのまま膝の上で頭を撫でられ、その心地よさに徐々に意識が薄れていく。
駄目だ……寝ては……
必死に瞼を開けようとするが異様に重い。
「おやすみ、悠斗。」
その言葉を聞いた直後俺の意識は途絶えた。
◇
なんだ……これは……
目が覚めると俺は暗い部屋のベットの上にいた。
まだ頭がボーッとしてなかなか状況を飲み込めない。
なんで俺はこんなところに……とにかくここからでなきゃ ———
そう思い体を動かそうとした時、ガキンッ! と金属音が鳴り、俺の体は動かなかった。
これは……手錠? なんで……
俺の体は完全にベットに固定されていて身動きが取れない状態だった。
にしても……なんだ? さっきからお腹のあたりに何か———
「あ、起きた! おはよう、悠斗!」
その時聞き馴染みのある声がした。
自分の体を見ると綾が俺の上にまたがりこちらを満足そうに見つめていた。
「あ、綾……なんで……」
「悠斗がいけないんだよ? 私に彼女がいるなんて嘘つくから……でもこれでようやく悠斗は私のもの……ふふ」
綾は勢いよく俺の胸に顔を埋める。
「悠斗……悠斗……愛してる……愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛しててる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛しててる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる……愛してる。」
それから俺の耳元へと顔を近づけ甘い声で囁く。
『今まで悠斗に彼女がいると思ってたから我慢してきたけど……私、もう我慢しないからね?』
そう言い、俺の唇を奪った。
綾の舌がまるで蛇のように俺の舌に絡み、離さない。
脳がとろけてしまいそうなくらいの快感に全身の力が自然と抜ける。
自身の服を脱ぎ始めた。
な、なっ!?
俺はその光景を見ないように慌てて目を閉じた。
静かな空間に衣擦れの音だけが響く。
そしてしばらくたつと胸に柔らかいものが押し付けられた。
恐る恐る目を開けると一糸纏わぬ姿の綾がそこにいた。
「私ね、この日をずっと夢に見てたんだ……まさか全て奪われたと思ってたものがまだ一つも奪われてなかったなんて……ふふ、悠斗の初めては全部私のもの。誰にも渡さない。」
蠱惑的に微笑み、今度は俺の服に手をかけた。そして一つ一つゆっくりとボタンを外していく。
俺は何の抵抗も出来ず次々と服が脱がされた。
そしてついに下着も脱がされ、俺も一糸纏わぬ姿になった。
「ようやくだね、悠斗。やっと交じり合える……」
恍惚とした表情で俺の下半身を見つめてから綾はとあるものを取り出し、口に咥える。
「悠斗、お互いに気持ち良くなろうね。」
俺は綾に襲われた。
【あとがき】
最後までお読みいただきありがとうございます!
果たして悠斗はこの先どうなってしまうのか……もう少しで完結させようと思います!
新作投稿しました!
『ゲーム世界の奴隷商人の横暴息子に転生してしまったので、奴隷ヒロインに優しくしてたらいつの間にか懐かれてた』
URLはこちらです!
https://kakuyomu.jp/works/16818093078512222576
異世界恋愛もので甘々ストーリーに仕上げていこうと思うのでよかったら読んでくださると幸いです。
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