第9話 抑えきれない

『…入れてくれる?』

『勝手に入ってくれば?』


翌日、僕はまた真凜の家に居た。


リビングに行くと立ったまま真凜が僕を見てた。


僕は……あまり背の変わらない真凜を強く抱きしめた。

真凜もそれに答えた。


僕らは中学生の時に一度、1ヶ月ほど付き合っていた。でも、すぐに別れてずっと何も無く今まで来た。


でもここ数日嫌な夢が続いていた。

真凜が誰かに取られる…誰かに愛される夢。

真凜が…僕の知らない誰かにすがる目をして愛を求めている…。


耐えられなかった。



「真凜…」

「うん?」

「男いる?」

「なんで?いないけど」

「嘘じゃない?」

「嘘つく必要ない」

「……もう無理。ずっとやな夢見てる。」

「あたしが取られる夢?」

「……取られたくない」


真凜はそれを聞くと僕にキスした。

切なかった。苦しかった。


「苦しい。」

「もしかしてずっとあたしの事好きだった?」

「わかんない。でも一緒にいたいって気持ちはずっとある。」

「……それ、好きだってことだよ。」

「……やりたいようにやっていい?」


「いいよ。」

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