感情に花
動物感情は次第に消滅して、人は全て社会感情によって行動するに至る。
社会感情とは恐らく理性を言うものらしい。そして動物感情とは、嫉妬や愛情などの超理性的な感情を言うのである。
俺は軽率に否定することも差控えるが、そうだったとしても軽率に賛同することもなりがたい。人を美醜によって判断せずに、才能によって判断するということは、所詮同じことではないか。標準が美醜から才能へ変ったところで、五十歩百歩のことである。そこから動物感情の消滅する理由は見出しがたい。同時に動物感情の消滅が人生を豊富にするかどうかを、俺は今判じがたい。しかし俺は、俺自身を実験台上へのせて、一人の人間を俺の中から出発させ、このことを考えてみようという気持ちになっている。所詮文学に解決はない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます