赤面
ひたすら自分自身が不憫であった。子は親を選べない。こんな馬鹿親を持ってしまうのは災難以外の何物でもない。
家庭などと言うこんなにも普段性のことばかり考えていることがないので、気が悪くなる。でもまぁそこだけを強調して拾っていくと、そんなに無いことでもないのか、とも思ったり。親と子は繋がっていて、それゆえぐちゃぐちゃに悩んだりして、そしてその悩みはとても押し込められがち。なかなか発散したり解消したりが難しく、ややこしさを深めていく。
好きな小説家がいて、坂口安吾という。書き方が斬新。頭の中を丸ごと紙面に落としているというか、いや、頭の中以外の妄想?幻想?までドサっと書き出しているような印象。それなのに情景がクリアに伝わってくる。家庭も恋人も、自分自身の飾りでしかないと、そう言った悪徳しかない人間を生み出したいかと感じる、非常に奇妙な作品が多い。
でも自分には相性が悪いような感じがする。
長い会話がもどかしい。書き手という機能を疎ましく思う坂口と、読み手という装飾に執着する読者の対比。社会の輪廻から外れている孤独とそれにしがみついている醜さがどちらも不器用で辛い。
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