12.25
恋愛には規則はないとはいうものの、実は、ある種の規則がある。それは常識というものだ。または、因習というものである。この規則によって心は満たされず、その偽りに服しきれない魂が、いわば小説を生む魂でもあるのだから、小説の精神は常に現世に反逆的なものであり、より良きなにかを探しているものなのである。しかし、それは書いている側からのいい分であり、常識の側からいえば、文学は常に良俗に反するものだ、ということになる。
恋愛は人間永遠の問題だと思う。人間である限り、その人生の恐らく最も主要なるものが恋愛なのだろうと俺は思う。人間永遠の未来に対して、俺が今ここに、恋愛の真相などを語りうるものでもなく、また人間が、正しき恋などというものを未来に賭けて断じうるはずもないのである。
人生において、最も人を慰めるものは何か。
恋。恋なしに、人生は成りたたない。所詮人生がバカげたものなのだから、恋愛がバカげていても、恋愛のひけめになるところもない。バカは死ななきゃ治らない、というが、俺の愚かな一生において、バカは最も尊いものであることも、また、記憶しなければならない。
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