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海へ飛び込んで逃げ入る僕は、スリムになって、前に図鑑で見たカジキみたいに鼻が鋭く伸びてとんがって、スススと高速で泳いでいく。
「海の中でなら逃げられるとでも思ったのかい?」
男も泳いで僕を追う。鼻先の鋭く長い剣で、男の左の胸を突く。心臓貫く感触がして、すぐさま抜いてまた逃げ泳いだ。
だが男はまだ追いかけてくる。背中から刺し、横からも刺し、頭も貫いてみたけど。それでも男はピンピンしてて、僕のことを飽きずに追いかける。
もう一刺ししたその時に、抜きにくい場所に嵌まったようで、僕はがっしりと男の両手に掴まれてしまった。
男は30本の松明を僕になすりつけた。水中なのに、僕はまた燃えて溶けていく。熱すぎる炎が僕を焼いて、マグロの青魚ボディは、みるみる赤くなり、赤色から戻らなくなる。
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