狼は騙りで翻弄し、人は処刑先を悩む
2-(1/7)処刑回数の数え方
「突然死……で、ござるか?」
人間陣営は限られた処刑回数で三名の狼を殺さなければならない。
護衛成功という例外を除き、原則的に十五名の参加者から処刑と襲撃で毎日一名ずつが命を落とす。
「まず、基本の〝処刑回数〟は七回だ」
「なるほど、だから期間が七日間とされているのでござるな?」
⑮→⑬→⑪→⑨→⑦→⑤→③
毎日二名が死亡した場合の、残存人数と処刑回数。
しかし今回は違う、開始前に二名死んだ。
十三名からの、スタートである。
初日は教育吊りで一名が死亡、今夜は二十三時以降に襲撃で一名死ぬと仮定する。
⑬→⑪→⑨→⑦→⑤→③
「開始前の二人、処刑された一人、その中に〝狼〟が混ざっていればいいが、いなかった場合は五回の処刑回数で三人の狼を殺さなければ……勝てない」
「せ、拙者が無駄死にしたら、もっと苦しかったのですな?」
白戸も事の重大さが分かってきたようだ。
彼が電脳直結で死亡した場合は「初日夜、十一名」となる。
二人が突然死を遂げ十三名、そこから処刑で一名、襲撃で一名、加えて白戸の突然死。
こうなると十五名いたはずの参加者は、一気に十名まで減少する。
⑮→⑩→⑧→⑥→④
二日目からの投票処刑チャンスはたったの四回。
「お前が〝狼〟なら、勝手に死んでくれ。でも人間だったら無駄死には止せ」
「も、申し訳ないでござる……」
チンピラ風の男は間違いなく人間だ。
彼が〝狼〟なら、自分が
茶髪のモデル女、理解度が浅く集中砲火を浴び処刑された中年のどちらか、あるいは両方が狼だったことを祈るしかない。
「まあ僕は最悪のケースを想定する。現状、狼は三人とも残っていると考えておく」
「拙者も企画前に練習をしたでござるが、進行中の突然死が起きたら議論崩壊……ノーゲームだったでござるよ?」
練習やパーティゲームなら、それが〝普通〟だ。
しかし、この場においては突然死が発生しようが、参加者が泣こうが喚こうが、閉ざされた宇宙空間で企画が続行される。
何故なら、それが
「ところで、僕に開示できる参加者の情報というのは?」
「拙者が分かる範囲で、参加者の職と名前のリストを作ったでござる」
国に雇われ〝公安〟という肩書きをオープンにしている
真偽の程はさておき、白戸からの情報はありがたい。
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