恋の必殺3分クッキング

第1話

　テレレッテテテテ🎵 テレレッテテテテ🎵

「テレビの前の皆様、ごきげんよう。恋の伝道師ことシャルロッテです」

「今回のゲスト、万能の魔女ことリリーです」

　恋の必殺3分クッキングのお時間、今日のメニューは『お茶会にピッタリ！愛情たっぷりラブラブスコーン〜紅茶を添えて〜』です。

　それではさっそく始めていきましょう。

「スコーンを3分で調理するのは無理があるでしょ？」

「編集後の動画が3分に収まっていれば大丈夫です」

「そんなんで良いんだ……」

　用意するのはこちら！

　〜以下、材料一覧〜

　魔界蜂のはちみつ

　サキュバスの母乳

　薄力粉

　ベーキングパウダー

　塩

　バター(食塩不使用)

　紅茶：お好みでどうぞ

　〜材料一覧終わり〜

「これ、食べても大丈夫なやつなの？」

「大丈夫ですよ？ちょっとキマったりはしますけど」

「……そう」

　まずは準備から、魔界蜂の蜂蜜とサキュバスの母乳をよく混ぜましょう。

　魔界蜂の蜂蜜は産地によって風味に違いが出ます。番組公式ページに資料を載せておきましたのでお好みのものを使ってください。

「サキュバスの母乳が手に入らない人も居るんじゃない？」

「リリー先輩、今は通販っていう便利なモノがあるんですよ。料理に慣れていない人はお菓子作り用に風味を調整したものがありますのでそちらの使用をオススメします」

「へー、便利な時代になったものね」

　続いて薄力粉、ベーキングパウダー、塩を合わせてよく振るいましょう。

　バターは1cm角に切って使うまで冷蔵庫に入れておいてください。

「ところで、調整済みサキュバスの母乳って成分に違いはあるの？」

「味覚や嗅覚に影響を与えるものを除けば成分に大きな違いはありません。特徴の一つである完全栄養食としても十分に機能しますよ。成人男性だってこれ一つで大丈夫です！」

「あー……うん……そうでしょうね」

　先ほど振るった粉とバターをすり潰すように混ぜていきましょう。

　全体的にサラサラとした細かい塊ができてきたら、先に混ぜておいた魔界蜂の蜂蜜とサキュバスの母乳を加えてさらに混ぜていきます。この時、混ぜ過ぎないように注意してください。粉っぽさが少し残る程度でやめてくださいね？

　ここまで出来たら生地を一つにまとめてラップに包んで冷蔵庫で20分ほど「休ませた物がこちらになります」

「……リリー先輩？いま、何をしました？」

「時空間魔法を利用して未来にあるものを取り出して来たの。一度やってみたかったのよねー、これ」

「魔法の利用許可って取ってますか？」

「あ、やべ……取ってたことにすれば大丈夫でしょ」

「罪を重ねない……許可、出てましたね。失礼しました」

　打ち粉をして生地を伸ばしていきましょう。厚さは2cm程度が目安です。

　包丁で食べやすい大きさに切り分けたら、表面にサキュバスの母乳を薄く塗りましょう。

　210℃に熱したオーブンで15分ほど焼いて完成です！

「わあ！とっても美味しそうね！……私は食べないけど」

「食べてくれないんですか？」

「途中で気づいたけど、これあんたの母乳でしょ？」

「せっかく先輩に気持ち良くなって貰おうと誠心誠意心を込めて作りましたのに……」

「その動機が不純だって言ってるのよ！」

　提供：魔界放送協会

＝＝＝＝＝

シャルロッテとリリーはこちらの作品にも登場しています

アンハッピーバレンタイン：https://kakuyomu.jp/works/16818023213551919537

リリーはこちらにも登場しています

いずれ空へと続く道：https://kakuyomu.jp/works/16816927860698427096