第10話 ディクリアーオブザーブ
2027/04/16/18:33 夜常駅 駐輪場付近
彩「本当にそういうのじゃないって!私全然そんな気ないし...」
一悶着あり、彩花が駅内の脇に手をついて答える。
響「前はずっと、ハルくんにいつ告白しようか、って悩んでたやん?ほらあれ、告白は思い立ったが
彩「キョウちゃん...」
響「それに、なんの策もなく今日告白させようとしてるわけちゃうで!うちと、あそこの二人がいればやれるかもしれん...彩ちゃんの告白が確実に成功する策がある」
彩「え、確実に?」
駐輪場スペースは人通りが少ない、響は少し駅の構内を見渡して確実に告白を成功する策について、説明し始めた。
2027/04/16/18:39
響「――こういう作戦なわけやけど...そうや、彩ちゃん。たしかハルくんはいつも部活の友達と駅前で別れて、一人で改札通ってホームに向かうんよね?」
彩「そう、小学生の頃は私達いつも二人で一緒に帰ってたの。でも中学に入学したときから電車通学になって、それから一緒に変えることも少なくなっていって」
零「なるほど...」
終「まあ、大体話は読めてきたか」
響「じゃあ彩ちゃんは、ハルくんに話しかけられる場所に移動して、うちら3人は彩ちゃんが見える位置で隠れとくな?」
響は駅の構内の脇、トイレの入口の前の角を指差す。
彩「まって、さっき作戦で言ってた告白する直前に引き留めるっていうのは、それで本当に告白が成功するかどうかわかるの?その...おまじないみたいなので」
彩は零のほうを少し見て、いぶかしむ表情で問いかける。響の説明では、零のDOの能力のことは話しておらず、零はおまじないのようなものが得意で、直前になると物事が成功するかどうかがわかるおまじないができるということを彼女に伝えた。
響「そうそう、できる、大丈夫やって!そこからはうちらにまかせて、それに、もしそれができんくても彩ちゃんはちゃんと引き留めるから」
うまいごまかし方が思い浮かばず、割って入った響の言葉に彩花は心配そうな顔をしながらすこしうなずいた。
響「(彩ちゃんには能力、OD...やったっけ?のことは言わんようにするし、そういうことで、お願い協力してちょうだい!)」
終「まあなぁ,女子の恋路の手助けなら断らないでもないだろう.だが?俺がその気になっても,こいつが許すかな――」
零「協力させてよ」
響「ありがとう!助かる、それでやってもらうことやけど、そろそろハルくんも来る時間やし、移動してから言うわ!」
彩「えっもう?」
18:42 夜常駅 公共トイレの入口
響「来たよ!ほらあの人」
角から駅の構内を覗き、響が指差す方向の人物を見た。紺色のスニーカー、グレーの制服スラックス、肩からスクールバックを下げ、手にはスパイクのシューズケースが見える。少しよれたカッターシャツを着ているが、顔と体格が整っているため服のよれ具合も魅力的に見える黒髪の背が高い青年だった。
響「あれがハル君、さっきおまじないって言ったけど、直前になったら1分後の未来見て、ハルくんの表情やったり口の動き見て、成功したかどうか判断してな?」
零「うん」
パラレル あべる @abell18
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