第9話 コネクト
2027/04/16/16:31 校舎裏
零「告白?」
響「そう」
終「それはアレか?お前が俺かレイに気があって,実はうわの空だったのは私でした~!とか言って遠回しに告白しに来てたとかそういうオチの...」
響「は?」
終「ヒッ...怖ぇ!」
響「困ってるのは友達のちゃ彩ちゃん!
零「なるほどね」
終「はぁ...」
響「さっきから話に水挿したりめんどくさそうな顔したり、こっちが真剣に頼んでんのにぃ...?もしかして一発痛いの顔面に浴びせてほしいん?」
響はめんどくさそうな顔をしている終に近づき、口角は上がっているが眉をひそめているという不吉な笑顔で拳を握っており今にも右ストレートを放とうとしている。
終「いやいやいや!めんどくさいなんてとんでもない!そういう恋ゆえの苦悩?って聞いてると静かに心揺さぶられてため息出ちゃうなぁって!だからその握ってる拳おろしてくんなよ.いやぁ本当にわかりますその気持ち,だよなぁ零!」
零「え?あっ..ああ」
響「ふんっ、なら良いけど」
響が拳をおろしたのを見て終はヒソヒソと零に耳打ちした.
終「(レイ,俺達なめられてんぞ!今日あったばっかなのによぉ,くっそ、ちょっと可愛いからって...)」
零「ふふっw」
響「なんや?」
終「いや!そのー...そうだ!彩なって子の告白の手助けにODをどうやって使うんだ?って相談してたんだよ,なにか方法は考えてあんのか?」
響「ああそれな、ちょっと考えがあって」
2027/04/16/18:30
どの部活もだいたい18時過ぎ頃に終わる。春の夕暮れ、あたりが暗くなりつつあるなか零たちは駅の改札口の手前、人目につかない角で宮阪 彩花を待っていた。
彩「何?話があるって。え、そこの二人は?」
響「この二人は私がちょっと呼んやけど彩ちゃんには関係ないよ、まあただのモブやモブ」
零・終「...」
響「前に彩ちゃんサッカー部のハルくん?って人が好きって言っとったやん?そんで、帰りにこの駅で見かけるって言っとったからその~今日こそ行けるって!」
彩「また~?前も言ったじゃん!もうぜったい無理だって...」
彩花は響の考えに察したようで、後ずさって振り向き逃げようとした。
響「いーや!無理なことないって、彩ちゃんかわいいし一回思い伝えてみたら絶対行けるって!何事も触れ合ってみんと何も始まらんって!」
彩花を逃さないよう、後ろから抱きつくようにガッチリと響が捕まえて離さない。
終「(うわっ虎だ,獲物を掴む雌の虎)」
零「彩花さんは告白のことはもうほとんど諦めてるっみたいだね、でも槍沢さんはあの性格だから、何も伝えずに黙ってるのがほっとけないのかな」
終「そうだろうな,ああいう他人の恋路におせっかいであれこれ口を挟むのは,今回が初めてじゃないんだろうよ」
零「でも僕は槍沢さんの「触れ合ってみないと始まらない」っていうの少しわかる、誰かと良い関係でいたくてもいつか何かのすれ違いで離れ離れになる。そういうのって大体、話し合ってお互いを知ってれば解決できたことだったって後で公開することが多いからさ」
終「...そうか?」
零「今回が思い通りの結果で終わらなかったとしても、槍沢さんの、思いを伝えさせてあげたいって気持ちに僕らはまっすぐに答えあげようよ」
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