第8話 ファーストプロブレム

2027/04/16/16:15 校舎裏

響「頼みたい事があるの」


ここで少し、槍沢について詳しく話しておこう、彼女は零や終のどちらとも校内で見かけたことはあっても話をしたことはない。クラスは2-A、顔は整っているほうでショートヘア、少し日に焼けていて健康的な肌色をしている。

運動部に参加していることは分かるが、どこの部かは知らない。校内で噂されていることは特になく、零と終のイメージではいつも見かけるときは友人といるが、顔が広いようで部活の友達や同学年意外との交友も広そうだと行った感じである。


終「嫌だと言ったら?」

響「いや...そういうのって要件を聞いてから話を切り出すときに言うものだと思うんですけど」

零「終、別に能力について誰かに話すぞ!とか言って脅してくるわけでもないみたいだし、ここは聞いてあげようよ」

終「どうせ頼みたい事ってあれだろ?能力を使ってなにかしろって話だろ,なら俺関係ないし部活あるから先に帰るぞ?」

響「部活は私も同じよ!っていうか、あんたたち能力能力って何度も言ってるけど、もっとわかりやすい言い方ないの?」

零「わかりやすい?ああ、技名みたいなのってことか!」

終「お,技名か」

響「技?いや、呼びやすければ何でも良いと思うけど...」

零「いいねカッコいいねそれ!何が良いかな~、えっとTime Travelタイムトラベル...タイムをトラベルはできないし、視ることができるだけだから、Time Watchingタイムウォッチング...いや、Watching Futureウォッチングフューチャー?」

終「安直だ,却下」

零「まあ確かに」

終「そもそも俺達は能力について他人に知られたくないわけだろ?人前で能力を使うときにWatching Futureウォッチングフューチャー!なんて叫んだらギャグみたいだろ」

零「あっ確かに!」

響「いや...声に出して言わなきゃ良いんじゃないの?」

終「はっ, 分かってねーな,言わなきゃいけないんだよこういうのは!どれ,ここは一つ俺が考えてやろう...Derivative Observation《デリバティブオブザーベーション》ってどうだ,略してDO」

零「なんかよくわかんないけどカッコいい!?どういう意味?」

終「だよな,即興で考えた割には結構意味があるんだぜ?機械の制御理論なんかにも使われる導関数を――」

響「言いやすかったらなんでもいいし話が進まんわ!」


半分ふざけていた二人が突然の関西弁にすくみ上がる


零・終「すいませんでした」


2027/04/16/16:23 同校舎裏

響「確かに私はその、DO?に頼りたいと思って連れてきたけど、私が頼みたいことっていうのは私の友達についてなの」

零「友達?」

響「その子、今すっごい悩んでて学校にいる間ずっとうわの空で...」


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