第4話 エクスペクテーション
2027/04/15/22:35 薄明家
東雲京子と分かれた後、零は自分の能力だと言われたその現象にしばらく疑心暗鬼だった。しかし彼女の言葉には妙に真実味があり、もしそれが本当なら自分は喜んでいいのか複雑な気持ちのままで、家に帰り着き部屋に戻ってからも悩んでいた。しばらくしてこのことは誰かに相談するべきだと考えた。
零「そうだ!シュウにこのことを相談しよう」
<シュウ
零:やばい、未来予知能力を手に入れてしまったみたいだ
終:どゆこと
零:今日放課後、モニュメント時計で秒針が3つに見えるって言ったけど、あれは錯覚じゃなくてほんとに3つに見えてたんだ
零:あれは僕の力でその時の秒針と僕だけずれた時間の秒針が同時に見えてて3つに見えてたって事
終:まてまて,もちつけ
零:よいしょ!ペッタン
終:もちついてるか,それで?
零:嘘じゃないから!明日、学校に行ったら詳しく話す。
終:おう.(-_-)
零「(誰かに自分の不安な事を話したら少し気が楽になる、母さんが昔教えてくれたっけ)」
零「...今日はもう寝よ」
2027/04/16/08:29 私立
零「(昨日の未来が見えたのは無意識だったけど、夜の間に少し能力の使い方がわかってきた、未来を視たい物に集中して、それがこの後どこに行くか、どうなるかを考えるんだ)」
担任の先生が教室に入って教卓の前で口を開いた。
先「おはよう、全員出席してるかな?SHR始めるよ」
12:09 2-B教室
先「それでね?そのアプリで出会った人に今度会いませんか?って言われたんだけど、イマイチ踏ん切りつかないのよね...」
昼食時間に入り、教卓の席で弁当を食べながら先生が雑談をしている中、僕とシュウヤは席を合わせて小声で話を始める。
零「――本気で未来が視えたんだよ、ただ、何度かやってみたけどだいたい1分後だけだったかな」
終「ならこうしよう,こいつで確かめる」
シュウは自分のバックから英単語ルーズリーフを取り出して見せる。
終「今から俺がこの中から適当なページで開いてお前に英単語を見せる,その前にお前が未来を視て俺にどの英単語だったか教えてくれ.一分以内に起こることが視えるなら分かるだろ?」
零「なるほど!わかった」
12:11:52
零はルーズリーフに意識を向け集中する。
視界は徐々に青白い幻想的な路のような景色へと変化し、その路の先には先程から見えていた自分の視界が移す教室へと移り変わっていく。
12:12:20'
よし、シュウがルーズリーフを開いてる、単語は――
12:11:58
零「開いたページの単語は"expect"」
終「わかった,開けるぞ」
終が手に持っているルーズリーフを零に見えるように開いた。
零「...あれ?」
終の開いたページに書かれた英単語は"expect"ではなく"encourage"だった。
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