第24話 イメチェン

一体なんなんだ…

柊に続いて幼馴染まで…

どうして同じ質問をしてくるんだ?


柊とカラオケの部屋にに戻った後、 

今度は幼馴染に呼ばれる。

さっき歩いた道をまた戻ることになり、

しばらくして幼馴染は立ち止まる。


「一応確認するがお前告白されたことあるか?」


「柊もだけどなんなのその質問?

 新手の煽りか?」


2回連続だと煽りの様に感じる。

実際煽られてる?


「良いから答えろ」


「別にないけど?」


「そうか……まあそうだよな、

 お前のことが好きな物好きなんて

 あまりいないよな…」


うん、煽られてるわ。


「なんか俺やらかしたか?

 悲しくなるからやめてくれ」


「よし、確認したし戻るぞ」


幼馴染は俺を置いて走っていってしまった。


……あんまりいない?

あいつの事だから全くいないぐらい

言い切りそうだが…

まあ良いか。


そうして俺は幼馴染を追いかけた。




「じゃあな」


あの後、陽介と幼馴染が盛り上がり、

カラオケを延長をしたせいで外は

赤みがかっていた。


「おうまた明日な」


俺は陽介に返事をする。


「馬鹿野郎!お前じゃない、

 俺は桜井さんに言ったんだ!」


「別に同じだろ」


「全く違う!

 全くこれだから…」


陽介が何か言いながら歩いて行った。

陽介は柊と一緒に、俺は幼馴染と帰る。

家の方向が同じだかららしい。


「…とりあえず帰るか」


「そうだな」


隣に立って歩き始める。


「なぁふと思ったんだけどさ」


「ん?なんだ?」


幼馴染はペットボトルの飲み物を

飲みながら返事をする。


「俺ってモテると思うか?」


「ごほっ!いきなりどうした?

 思わず吹き出したじゃないか」


幼馴染は咳き込みながら抗議してくる。


「あぁ…悪い悪い。

 柊とお前に質問されてふと思ってな」


「お前って言うなバカモンが。

 うーん…うん、モテないと思うぞ」


おぉ…かなりはっきり言ってくるな。

幼馴染は隠したりしてこない。

幼馴染の良いところである。


「その心は?」


「根暗、インキャ、友達少ない、

 口数少ない、あとインキャ」


…もう少しオブラートに

包んで欲しいものだ。

さっきと相反して、

悪いところでもある様だ。


「インキャ二つあるぞ。

 まあそうだよな……

 ちょっとイメチェンしようかな?」


幼馴染は怪訝そうな顔をする。


「えぇ…お前がイメチェン…?

 変わらんと思うし、やめておけ。

 ていうかなんでそんなに

 イメチェンしたがるんだ?」


「青春送りたいって男子ならだれでも

 思うと思うんですよね」


俺にだって一般的な高校生の感性はある。

彼女欲しいと願うのは別におかしくない。


「はぁ…男子っていつもそうだな…

 私はお前はそのままで良いと思うが。

 青春ねー…彼女でも欲しいのか?」


「まあいるに越したことないでしょ」


「なるほどな。

 どうしてもイメチェンしたいなら

 私が手伝ってやろうか?」


「おっ!まじで?

 でも結衣のセンスだから大丈夫か…?」


幼馴染は少々感性が独特なところがある。


「任せろ。

 私が暇だったら手伝ってやる」


「安心しな。

 俺も暇な時にイメチェンするだろうから

 すぐにはしない」


幼馴染と謎の団結感が生まれた気がする。

でも割と楽しみだ。

幼馴染であるのが少々不安だが。



幼馴染視点

あいつ…彼女いなかったのか…

告白は…あいつが振った…いや

あの馬鹿が断ると思えんし聞き間違いだな。

あいつなら告白されたら9割9部OKしそうだ。

彼女が欲しいか…

……あいつとは幼馴染。

別にあいつに彼女ができたとしても

私は祝福してやるつもりだ。

あいつとの関係は何も変わらない。

きっとそうだ。

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