第39話 消滅
私の本来の型は…まぁ今回は「最強の剣」と
安易なネーミングセンスを披露しておこう。
私のこの型はかなり前にも説明したが前世と
この世界の剣術の型を合わせて使っている。
まぁそれだけではなく私が独自に見つけた呼吸法とか、外に少し漏れ出る魔力を抑え完全に気配を消したり、後は間合いのお話だ。
多分間合いの管理が一番習得に時間がかかった。
自分の攻撃が当たりかつ相手の攻撃に反応できる距離。
それが一番大切なのだ。
この剣は割と強すぎるので基本的には使わないようにしている。
今回は流石に魔力無しでこのまま戦い続けるのは厳しいのでこの型を使うことにした。
「無事…なのね?」
「うん、ターナさんこそ怪我はない?」
一応ターナさんの体を見て怪我が無いか確認する。
「おい!貴様!何故アギレを殺せた!?どういう事だぁ!魔力も使えない人間が!何故勝てる!?」
「だから何回も言ってるでしょ。こいつが弱いからだって。」
さて…そろそろかな。
「キッッ!?貴様ぁ!ま、まぁ良い。魔力も神装も使えない人間風情がアギレに勝てたのは褒めてやろう。どうせ偶然だろうがなぁ。」
「お前みたいなキモいおっさんの感謝なんて要らないけど。」
「ッッ!貴様ぁ!この私をコケにするのも大概にしろよ!貴様だけは殺してやる!こい!
アギレぇ!!」
周囲の壁からアギレが大量に出現する。
「嘘…でしょ…」
ターナさんが絶望の声を上げる。
「これがぁ!我々の力だぁ!!」
無数のアギレが私に殺到する。
「楽しくなってきた…でも…残念。さっさと終わらせよう。」
私は手にしていたソレを使い大量のアギレを一振りで倒す。
「は……?何故だ?なぜ魔力が使える…?」
アビスの身体にはいつの間にか一振りの美しい剣が握られており更に美しく研ぎ澄まされた優しく輝く魔力が迸っていた。
「私はちょっと前から魔力を操作出来るか試してたんだ。まあ割とすんなりいけたけど。」
「有り得ないだろう!?魔力を吸い取られ続けその筈なのに何故そこまで魔力がある!?その魔力量は人間では有り得ないっ!!」
別に私は大した量魔力を吸われてないし特に問題は無い。
「ヒッ!そいつを殺せぇ!アギレェ!」
また無数のアギレが殺到する。
「大したことないねー。弱すぎでしょ。
まぁでも面倒だ。ねぇ!ターナさん!」
「ど、どうしたの?」
「もうさぁ、ここら辺全部…ぶっ壊しちゃえば…良いよね?」
私は魔力を展開する。
「え?え?いや貴女ちょっと待っ…!」
「あぁ動かないで!一応魔力の防護壁貼ってるから!」
空間を全て包み込むほどの莫大な研ぎ澄まされた魔力が輝く。
「スター…」
「おい!!!!待て!!!辞めろぉ!!アギレぇ!さっさと殺せぇ!!」
おっさんが怯え更に無数のアギレが向かってくる。
一人のアギレが私の心臓を突き刺す。
「エンド・ボム。」
辺りを包む魔力が輝きを増しそしてアビスに収縮する…
そして…爆発する。
刺さっていた剣も空間も世界も。
全て等しく灰塵となり蒸発する。
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