第37話 檻

「あら、起きた?」


「ここどこ?」


気付けば私は全然知らない場所にいた。

どこまでも続きそうな空間だ。



「そうね…取り敢えず記憶はある?」


「貴女を倒して…それから…」


先程殺した筈の少女がいた。

幽霊かな?


「そう。私はこの空間に封印されているのだけれど何故か貴女と私が反応して貴女の前に現れたし負けたら何故か貴女がここに転送されて来たって訳。」


「ここからの脱出方法とか知ってる?」


「知ってるけど…ちょっと大変よ?」


「大丈夫だよ。私はアビス。さっきの闘いは楽しかったよ。」


「私もよ。貴女は私がいた時代の誰よりも強かったわ。私の名前は…そうね、ターナって言うわ。」


「じゃ行こっか。」


「そうね。」


いつの間にか出てきたドアを通りその空間を後にする。


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一方その頃…



「アビスはどこへ行ったの!?」


「お、落ち着いてくださいっ!アズサさん!

今ここで焦ってもどうしようも無いですって!」


「エルメス気配を掴めるか?」


「……生きてはいるわ。でも…存在を感知出来ない。」


「お主が存在を感知出来ないとなると…いや多分そうじゃろうな…恐らくアビスは奴の記憶の檻に連れてかれたのじゃろうな…。」


「彼女の記憶の檻!?魔王様!何か知ってるんですか!?」


「…いや詳しいことは話せん…が、一つ確かなのは…」


「ご主人様の命が危険かもしれないということよ…」


「嘘…でしょ?」


「そんな…」







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「んー。」


変な空間に出た。辺り一面炎の海。

人々は私達の少し先にある何かと戦っている様だ。


立ち止まっていると、


「いきましょう。道は分かっているわ。」


「そっか。」


ターナがそう言うので着いていく。


先に進むにつれどんどん死人の量が増えていく。


ターナの顔はどこか…辛そうだった。


その瞬間私はターナを抱きかかえその場から離れる。


前方から赤黒いビームが飛んできた。

大分異質な魔力だ。

さっきまで私達がいた所は一瞬で焼け野原になった。

回避出来ていなかったら死んでいただろう。


「厄介ね。拒まれているようだわ。」


「……」



魔力が…使えない?

いや正確に言えばターナと会った時は使えていた。

だが、進むにつれ段々と魔力が吸い取られている。それはエルメスの時より遥かに強固だった。

気付けば魔力が一切使えなかった。

うーんこれは…


「魔力封じだね…」


「本当だわ…魔力が使えないわね。どうするの?引き返す?」


「いや…何とかなりそうだし問題ないよ。とっとと進んじゃおう。」


「私魔力と神装使えないから弱いのだけれど?」


「私がなんとかするよ。」


「あら素敵。」



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