第23話 エルメス
「はい、今日の授業はここまで。各自自由に。」
学業終了のチャイムが鳴ると同時に途端に騒がしくなる。
「アビスさん、今日も特訓しませんか?」
「ごめん、今日はちょっと用事があってさ。」
「そうですか、アビスさんと訓練しているのでいつでもきてくださいね。」
「うん、分かった。」
そう言い剣道場にサーヤは向かっていった。
さて私もやらなきゃいけないことをやりますかね。
誰もいない山にきた。ここなら大丈夫だろう。
「出てきなよ。聖剣さん。」
私は虚空に向かってそう呟く。
すると
「あら、やっぱりバレてたのね。でも寂しいわね。エルメスって呼んで欲しいな。」
以前神装習得の際に戦ったあの人が出てきた。
「はぁ。わかりました、エルメスさんは何で私の事をつけ回すんです?」
「……え?」
「え?」
「ちょ、ちょっと待ってほしいわ、えっと私一応貴女の神装なのだけれど?」
「あれ?そうでしたっけ?」
「………」
「………」
「ハァーーー。貴女ってホントそういうところあるわよねぇ。見てて一週間くらいだけど。」
「もしかして私の中から外の景色とか見えたりするんですか?」
「えぇ勿論。」
「嫌なんですけど?私から離れて下さい。」
「えぇ!?な、な、な、なんでよ!?私結構強いし貴女の役に立てるわよ!??あ、もしかして昨日あのサキュバスのk」
「うるさい。」
「はい。」
うーん、確かにそれなりに強いしまぁ保険はとっておくに越した事はないかな。
「わかりました、まぁ別に良いですよ。
でも、私の中から見るのは辞めてください。
これが絶対条件です。」
「いいの!?分かった分かったわ!」
嬉しそうにするエルメスを見て私は一つ考え事をしていた。
「私の神装の能力ってなんなんですか?」
「あーそういえば説明してなかったわね。
ご主人様の能力は色々あるんだけど…まず
私の聖剣を使える様になるわね。ご主人様の魔力があればあの時より次元が違うレベルで威力が出るわ。」
「特に必要ないかな…あれがあるし。」
「ま、待ってってば。えーと他にもあるんだけど何から説明すればいいかしら。」
「まぁいいです。大体魔力で出来る事ばっかだろうし。」
「お゛ね゛がい゛ずでないでぇ。」
そう言い泣きついてくるエルメスさん。
うっわー。最初会った時の大人びた雰囲気は何処へいったのやら。
「いや別に捨てないよ。案外役に立ちそうだしね。」
「本当に?」
「ホントだから。」
「やった♩これからよろしくね。ご主人様。」
「よろしくね。エルメス。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます