第22話 変化

「ふぁぁ。よく寝た。えーと私は何を…」


突然脳裏にフラッシュバックするサーヤとの記憶。


「うぅ。は、恥ずかしい。」


「起きましたね。アビスさん。」


不意に背後から声をかけられ驚く。


「さ、サーヤかぁ。起きてたんだね。」


「顔真っ赤ですよ。」


「み、見ないで欲しいな。」


手で顔を隠す。


「そんな顔も可愛いですよ。あの時の顔も良かったですけど。」


「恥ずかしいなぁ。って今何時!?」


「もう夜ですしなんならここ私の部屋です。」


「授業は?」


「アビスさんは無事を取って休ませました。

後は私が寝ているアビスさんをお持ち帰りして楽しませてもらってました。」


私の首を指差しながら言うので見てみると


「こ、これもしかして…」


「キスマークと私の跡です。」


首を見るとそこには唇の跡や甘噛みの跡があった。


「アズサさんのがあったので私もと思いまして。」


「もう。また増えちゃった。制服で隠れるから良いけどさ。というかアズサは?」


アズサの姿が見当たらない。少なくとも寮にいる訳では無さそうだ。


「アズサさんは何か用事があるとか言ってました。」


「そっかぁ。寂しいなぁ。」


アズサとは授業以外には基本ずっと一緒だったので寂しく感じる。


「アビスさんには私がいるじゃないですか。」


「そ、そうだね。」


な、何でこの子はそんなキュンとする様な事言うのかなぁ。

私もだけどサーヤもかなり性格が前向きになった。


自分に自信がついたみたいだ。それは良かった。本当に。






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