第16話 王女と決闘
あの後二人が食堂に来たので一緒にご飯を食べた。それで学園に行こうと思っていたのだが、
「あ、あの…アビスさん、よね?」
何故か周りが騒がしいと思っていたけど何故この国の王女様がここに?
「は。ご機嫌麗しゅうございます、王女様。」
「その礼儀は必要ないわ。それで話したいことがあるのだけれど時間はあるかしら?」
「はい、良いですよ。」
王女の誘いを断るわけにはいかないので
YESの返事をする。
そして連れてこられた場所は決闘場だった。
「なんで私を決闘場に?」
「それはですね。私がアビスさんと決闘をし勝ったらアビスさんは私のお嫁さんになってもらいます!」
………
「……」
いや何を言ってるんだこの人は。
待てよ私のことが好きという事なのだろうか。
ピコン!
ローゼのアビスに対する好感度は101です。
あれ?そんなに惚れられる要素あったかな?
「な、何で私を嫁なんかに?私などでは不釣り合いなのでは…」
「私が貴方のことを好きだからです!お父様にも誰にも文句は言わせません。」
嘘は…ついていない様だ。
まぁこの学園にはクソルールがあるので受けなければならないが。
「分かりましたよ。」
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「またあいつだぜ。」
「ホントだ。王子を負かせたのは凄いけどローゼ様に狙われるなんてツいてないねぇ。」
ギャラリーからそんな声が聞こえてくる。
いつの間にか決闘場を埋め尽くす程の観客がいる。
ローゼ様は確かマイリス王子との決闘の場にもいた筈だ。あの私の一撃を見ているのだから多少は警戒されていると思ったのだが彼女の目には揺るがない勝利の確信が見えている。
どうしてだろう。
「ローゼ様、アビス!両者、始め!」
審判の合図と共に私は距離を詰める。
殺してしまわない様なるべく手加減しつつ。
「私は強いのですよ?」
私の剣は防がれた。成程。想像よりは強いね。
「次はこっちの番です!」
王女が魔力で剣と身体能力を強化して剣を横薙ぎに振るう。その剣を回避しつつ蹴りを放とうとする。
「遅いですよ!」
背後から痛みが走る。
背後から剣で斬られた。速いな。
「ほう。反応したんですね。」
私の背後の傷は浅い。まぁ簡単な話体を前に倒したのだ。それで致命傷を避けた。魔力で背中部分を強化すればよかったんだけどそしたら王女様の剣が折れてしまうだろうし。
「アビス!?」
「アビスさん!?」
観客席からアズサの悲鳴が聞こえてくる。
「問題ないよー。」
アズサ達に安心させようとよそ見をする。
「何処を見ているんですか!」
シュンッと真横を風が斬る。
「ちゃんと相手は意識しているので。」
「やはりアビスさんは二百位程度では無いですね。それに30位程度でもない。貴女は強い。」
急に彼女は距離を詰め私の剣と交差する。
鍔迫り合いの状況となる。
お互いの剣が魔力で強化されていて激しく音を奏でる。
「貴女はどうして自身の実力を隠しているのですか!貴女は強い!少なくとも序列10位以内であれば簡単でしょう?」
実力を隠しているわけでも無いのだけど。
「私は…そうですね。自分の大切な人たちを守りたいんです。その為に強くなったからですかね。」
「そうでしたか。ならば……」
「?」
「ますます!貴女を!好きになりました!」
「え、えぇー。」
ピコン!
好感度が110へと上昇しました。
「貴女を倒す為に私は本気を出します!
神装「ファイナラズ」顕現!」
その瞬間眩い光が周囲を埋め尽くす。
魔力の波が荒れ狂い更に濃密な魔力を周囲に放つ。決闘場が震える。
「あれがローゼ王女の神装!」
「アビスさん勝てるんでしょうか…?」
神装?なんだそれ?
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