第6話 盗賊
「ロイド話がある。」
「話?分かった。私の部屋に来てくれ。そこで話そう。」
「ありがとう。アビスとアズサちゃんは外で遊んできてくれるか?」
ロイドというのは私の父だ。
そして何故領地を収めているアズサの父と親しげにしているのかというと、アズサのお父さんと私の父さんは学園で同級生だったらしい。
いわゆるライバル関係だった様だ。
立場が違うのにこんなに仲良く話しているのはその影響なのだろう。
「盗賊の件で…」
「最近近くの廃村に住み着いている噂だったな…」
私の常人離れした聴力はかなり離れている父さん達の会話が普通に聞こえてしまう。
まぁ普段はかなり抑えて生活しているのだが
こういう時には使っている。
盗賊ね…危なそうな連中。
「アビス!?」
「あーごめんね。ちょっと考え事を」
「むー。私を見てくれなきゃ嫌だよ。」
アズサは最近かなり私に対してのスキンシップが多い。手を繋いできたり胸を揉んできたり。
私の胸はまな板以下だが。
揉んでて楽しいの?って思うけど楽しいらしい。
しかも好感度がかなり上昇している。
今現在八十位になっている。上がると仲良くなるというのは分かるんだけどそれ以上に影響あるのかな?イマイチこの能力に関しては分からない。
『スキルの説明です。
アビスのスキル名「百合ハーレム」は女性の自身に対しての好感度が見える様になり、それが60を超えると親友。 70を超えると大親友。
80を超えると対象を恋愛的に見る様になります。90を超えると不滅の仲となり100を超えると
100以下に下がる事がなくなり自身を相手が視認しているだけで好感度が上がり続けます。更に
自身との家庭を作りたいと考える様になり、一生を添い遂げる覚悟が出来ます。』
うわ!なんか頭の中に言葉が流れ込んできた。
どうやら私の能力に関しての説明らしい。
えーと、説明通りならアズサは私を恋愛的に見ているという事になる。
だから最近スキンシップが多いのかな。
私をそんなに想ってくれるっていう嬉しさもあるんだけど同時に、恥ずかしさも生まれてくる。いやーなんて顔してアズサを見れば良いのだろう。
「アビス?顔が真っ赤だよ!熱でも出たの!?」
「あーいや大丈夫だよ。ちょっとね。」
「なら私先に剣持ってきて待ってるからね、
落ち着いたら来て!」
そう言い走って行ってしまった。
うん。今はそっちの方がありがたい。
これは私もアズサの事を恋愛的に見てしまっているという事なのかな。
すごくドキドキする。
◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️
「あれ?アズサー!」
少し時間が経って遅れてしまった。
それでいつもの練習してる場所に来たのだがアズサの姿が見当たらない。
どこかに隠れているのかと思ったが私の耳には何も聞こえない。鳥のさえずりが聞こえるだけだ。
「おい!アビス!アズサちゃんはどうした!」
「父さん!?なんでここにって言ってる場合じゃないわね。アズサの姿が見当たらないの!」
「なんだと!?やはり…そうか。不味いことになった!アズサちゃんはおそらく誘拐された!」
「え…」
父さんの思いがけない発言に体が固まる。
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