第8話 女剣士

「パピーー起きてーーーーーー」


ジュエルの声がする




「んーーー?なんだー?」


パピは朝が弱いようだ




「パピさん、今日は朝からギルドのメンバー募集の紙を王都中の貼るって言ったじゃないですか」


(そういえばそういう約束をした気がするなぁ・・・)


パピは寝ぼけているようだ






_街中_


「ねえねえパピさん、これっておいしそうじゃないですかーーー?」


ジュエルは目をキラキラさせていった




「今日はギルドのメンバー募集の紙を貼るんじゃなかったのか~?」


「おいしいごはんを食べなければ、戦いは始まりません」


(こいつは何を言っているのだろうか)


パピは呆れた顔でジュエルを見つめたが、ジュエルは呑気に周りのおいしそうな料理屋


をみている




「パピさん!あれ!」


パピがジュエルの指のさすほうを見るとそこには、パンケーキ屋があった




(ちょうど小腹もすいてきたし、パンケーキでも食べるかな・・・)


「よし、仕方ない・・・ここでちょっぴり食べるとするか」


「いっーーーーやったぁーーーー」


ジュエルはとてもうれしそうに両手を振り上げた






「いらっしゃいませーーー。二名さまでよろしいですか?」


ジュエルは小さくうなずく


「では、こちらにどうぞ・・・・・


ご注文はお決まりでしょうか」


「パンケーキ二つで」


パピが注文をする






・・・数分後・・・


「おまたせしましたーーー」


運ばれてきたパンケーキはすこぶるおいしそうだ


「いっただきまーす」 「いただきまーす」


パピとジュエルは同時に食べ始める。


「あまーーーい。」


ジュエルはほっぺたを抑えながら可愛らしく食べていた


「で、どうするよ・・・」


「何がー?」


「何がって・・・ギルドメンバー募集の紙を貼るって言ったばかりだろ」


「まあまあ、今そんなこと話してたらおいしいパンケーキもおいしくなくなりますよ。今は食べることに集中♪集中♪」


パピはあまりにおいしそうにパンケーキを食べるジュエルをみて仕事の話はやめた






「あーーーおいしかった。じゃあ次どこ行く?」


「さすがに仕事しないといけないだろ。お前は何も言われないかもしれんが、俺がシドルになんて言われるか・・・・」


「もー、仕方ないな。じゃあ手分けして仕事しましょ!そっちのほうがはやいもの」


「お前、絶対迷子になるだろ。何のためにおれがついてきたと思ってるんだ」


「そんなに私と一緒にいたいの~~?」


(むかつく!!!!!!)




結局一緒に貼る作業を進めていくことになった


「ねえねえ、パピ~」


「なんだよ」


「これってさ~~意味あるのか~?」


「あんまないんじゃないかな。こんな紙切れ見る人そうそうないからな」


パピたちが喋っていると




「あの!!」


いきよいよく女剣士っぽい女性がはなしかけてきた




「なんですか?」


「ギルドの募集やってるんですか?さっきからそこらへんに貼っていますよね?」


なぜか女はパピたちのギルドに入りたいようだ


「確かに・・・募集はしてますけど・・・」


パピは困ったような顔で言った


「うちのギルドにご興味があるんですか、あるんですね!?」


ジュエルはテンションがあがっているようだ


「は、はい。」


「ではうちにぜひ入ってください。うちは将来、王都一のギルドになるギルドです」


なぜか自信満々にジュエルは勧誘をしている


「ぜひ入らせてください」


(なんか強い気がするんだけどなぁ~~。気のせいかな)


パピは、そう思いながらも女剣士をギルドに案内することにした






_ジャッジメルスにて_


「ただいまーー」


「お帰り、ジュエちゃんとパピ。シドルは今、山で魔物狩りの依頼をしているよ」


サチコがお出迎えをする


「ありゃー?その人は?」


「新しいギルドメンバーだよ。あれ?そういえば名前ってまだ聞いてなかったよね?名前なんて言うの~?」


「私はレオナといいます。どうぞみなさんよろしくお願いします」


「よっろしくーーーー」


ジュエルは勢いよくハイタッチをする


「そういえばレオナって何歳?」


「22歳です」


「今までどういう仕事してたの?」


ジュエルは間をあけずに質問している


「一応・・・ギルドに入っていて・・・」


(これは驚きだ。一度ギルドに入っていた人間が、こんな小さなギルドに来るなんて・・・何かあるに違いない)


「なあ、あんた・・・なんで前のギルドやめちまったんだ」


「すみません・・・言いにくいんですが・・・」




しばらく沈黙が続いた後




「私、一度お酒を飲んでしまうと、ギルドのものとかを壊してしまって・・・手の付けられないようなことになってしまうらしいんです・・・じぶんでは覚えてないですが」


「まあ、いいじゃん。ここは少人数の小さなギルド・・・バカ騒ぎするにはちょうどいい。というわけでーーーーお酒だぁーーーー」


ジュエルはテンションMaxだ


「おまえはまだ二十歳になってないだろ・・・俺もだけど」




その夜、ジャッジメルスでは宴が行われたが・・・




「すみません・・・」


朝になるとそこにジャッジメルスの拠点はなかった・・・


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