第7話 王都と竜

「は!は!」


パピは剣を振っている


「パピさん朝から元気でずね」


サチコがこえをかけてきた。サチコはギルドメンバーになぜかいる老婆である。




「ありゃ?ジュエルはいっしょじゃないのかい?」


「ジュエルなら今、魔法訓練をしにシドルと森に行ってますよ」


「へぇ~そうかいそうかい。」




「おーい大変だぁー」


シドルの叫ぶ声がする


「ジュエルのやつが森で迷子になっちまった・・・すまねぇ、おれがついていながら・・・」


シドルは申し訳なさそうな顔をしている






・・・一方そのころ・・・


_ジルジル森では_




「うわぁー・・・ぐぇ」


ジュエルは森で一人迷子になっていた




(もー、最悪~・・・はあーどうしようかな~」


意外とのんきそうにジュエルは森で迷っていた


(とりあえず弓にマテリーをセットしてきてよかったぁ~・・・これで魔法を適当にぶっぱなしとけばいつかギルドにつくでしょ)


やはりのんきそうである






_森の入り口_




「おーい、おーい・・・ジュエちゃーん」


サチコさんは自身の腰をさすりながら山を少しずつ上っている


「こんな山で迷子になるのか?・・・もうギルドから逃げたかったんじゃないのか?


パピは嫌味ったらしくシドルに言った




「そんなことあるはずがねぇ!!!」


(何も根拠がない自身だ)


「まあ、俺もあいつに逃げられたら困っちゃうよ。借金してまで装備を買ってあげたってのに」




・・・パピたちが上っていたその時・・・


「ずっどーーーん」


山が揺れ始めた




「なんだこれ、なんだこれ。」


シドルは慌て始めた


「ただの地震だろ・・・そんな焦ることじゃないだろ」


「いやちげぇ・・・これは・・・」




・・・シドルが何かを言おうとした時・・・


「ブォー」


あの声がした・・・パピには忘れられないあの声が


「竜が出たぞーーーー」


シドルとサチコは同時に叫んだ


「なんで、王都に竜が出るんだよ。ここは伝説のマテリーのがあるんだぞ・・・竜が何でそこに近づいてくるんだよ。」


パピは文句を言い始めた


「それより、ジュエルだ・・・ジュエルはどこにいるんだ。」


シドルもサチコもまだジュエルを探している。


「いったん引こうぜ。もう今から探したところで見つからねえし、あぶねぇ」


三人は山を下り始めた






・・・一方そのころ・・・




「zzz」


ジュエルは森で寝ていた。たまたま洞穴にいたので揺れを耐えているようだ




起きる気配がない。彼女は揺れに耐性があるようだ






_ギルドにて_


「はぁー・・・どうして王都に竜がでるんだよ。王都は伝説のマテリーの出す魔力で竜は怖がってちかづけねえって、本で読んだぞ」


パピは怒りながら言っている


「おそらく、この地にある伝説のマテリー、“神秘のマテリーの力が弱くなっているのでしょう」


タンパクは自分が博識であるかのように話し始めた




「あーあれか・・・今はシャイニングレターがもってるんだっけ?」


シドルは鼻くそをほじりながら喋っている




「もう王都すら安全じゃないのか・・・」




「パピさん心配しないでください・・・まだ軽い偵察程度だと考えられます。もっと数が増えてきたら・・・終わりですね!」


なぜかタンパクは少しうれしそうだ。






「揺れがやんだな。よーしジュエルを探しに行くぞ、パピ」




(サチコさんはさすがに危ないからつれていかないのか)


「わかったよ」






_ジルジル森_


「なぁ、さっきの話、どう思う?」


「俺がわかるわけないだろ、がーはっはっは」


シドルは呑気に笑っている




「俺さぁ・・・竜に殺されたんだよね、知り合いみんな」


パピは思いつめた顔で語った


「そうか・・・」


シドルはめずらしく気まずそうにパピの顔を見る




「それでさぁ・・・俺、りゅうを倒すんだ、どんな手をつかってもね」


「パピ・・・・・」




会話のない時間が2、3分続いた


「なぁ、パピ・・・俺もサチコもタンパクも、王都に住む人々の多くは竜の影響で何かしらを失ったやつらばかりだ・・・どんな金持ちでもな」


シドルは珍しく真剣な顔でパピのほうを見て言った




「まぁ、そうか。俺だけじゃない・・・それぐらいはわかっている・・・」




パピの発言から少し時間がたった後


「んぁーー・・・もうこんな暗い話終わりだ。とりあえず俺たちのギルドの目標は竜を倒す。


それでいいだろ。そのためにまず、うちの可愛いジュエルを見つけるぞ」


シドルは無理にテンションをあげて言った


「そうだな。とりあえず、あのバカジュエルを探すぞ・・・そして次は俺におごらせる」


シドルは少し不思議な顔をしていた。




「まぁ、お前らの関係は知らんが、とりあえずその感じでいこう。テンション高くしてたほうが楽しいぞーー」






・・・一時間後・・・




「まじでいねぇ。どこで油売ってんだ・・・あの野郎」


「まあ、そんな怒るな。誰にだって苦手なことはある。ジュエルはただ道を覚えるのが苦手なだけだ」


(やっぱり、ジュエルにみんなあまいなぁ。ちょっと子供っぽい見た目してるだけですぐみんな騙される。あいつの心の中は、王女顔負けの真っ黒だぞ)


パピはそんなことを思いながらも、しっかりとジュエルを探していた






・・・一方そのころ・・・


「zzz・・・・・」


ジュエルは穴で寝ていた


「はっ!!!」


やっと起きたようだ


(なんか周りがぐちゃぐちゃじゃない~~~)


やはり呑気だ


(まぁ、とりあえず適当に帰り道を探してみますか)


「ジャリジャリ」


ジュエルがゆっくり歩いていると・・・


「はっ!!!」


(そういやあたし・・・空飛び魔法持ってるじゃん!それでのんびりかえろーーー)


ジュエルは魔法を使い空を飛びながらゆっくりかえっていった




・・・一方そのころ・・・


「どこにいるんだよー・・・もうーーーーー」


パピはガチギレしていた。


「ジュエルちゃーーーーーーーーーん」




その後、二人は二時間以上ジュエルを探した・・・


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