第2話 辞め

学校なんて、授業なんてつまらない。


楽しかったのは全部彼がいたから。


でももう居ない。別の女のところに行ってしまった。


「今日カラオケ行かない?」

「っしゃ、行くか」


雲間に差し込む太陽光線が、二人の姿をスポットライトのように照らし出す。


さらさらの茶髪がなびかせ、可愛らしい声を響かせる彼女は確かに可愛い。


正直、私のルックスはそんなに悪くない筈だ。髪だって整えてたし、服装だって綺麗にしてたし、明るく振る舞っていた。彼に好かれたかったし、私はそれ以上に好いていたから。


それでも彼は私を捨てて彼女を選んだ。彼女と私の価値は同等くらいの筈なのに。


………何が違うの?


彼女の陽気な声も、彼の楽しげな声も聞きたくない。


嫌でも聞こえる学校に来たくない。


勉強の必要性?


………それ、いつか絶対死ぬのに必要?


就職大変になるって?


今の私にそんな余裕ないよ………。


辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい!


こんな場所もう辞め…………。


………………………。


そうだ。辞めればいい。


………あの子が、辞めればいい。

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