止め、辞め、病め………!!

明日葉ふたば

第1話 止め

さめざめ雨が降っていた。


傘を持たない私はずぶ濡れだ。


髪型は崩れ、服は透け………そんな私をチラチラ見る輩が大勢居る。


可哀想と憐れんでいるのかもしれない。。


それとも目の保養になるとらしい目で見ているのか。


何だっていい。…………もうどうだっていい。


君は私の一部だった。


それなのに、どうして別れて欲しいなんて言うの?


………どうしてあの子の方が良いなんて言うの?


あの子の方が可愛い?私には愛嬌あいきょうがなかった?茶髪の方が好きだった?もっと落ち着きのある方が良かったの?口吻くちづけだってしたよね?


────どうして………。


私は捨てられたみじめな女。


涙を流しても流しても、雨と交わって分かってもらえない。


泣き声をいくら上げても、掻き消されて気付いてもらえない。


横断歩道を渡って行ってしまった君は、もう振り返ってくれない。


私のために笑ってくれない………。


………あぁ。早く雨が止めばいいのに。

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