010 ハイパーSNS世界

 こんな夢をみた。合宿所の食堂で配膳の列に並ぶ。今日のメニューは虫の素揚げとトカゲのソテーだ。昆虫は油とよく合うし、淡白な爬虫類の肉も味付け次第で美味しく食える。どちらも食べた経験があるから、気にならないが、合宿に来ている中学生は大変そうだ。一人の顔が青ざめている。どういうわけか、私たちの斜め上にはSNSのフィードがついていて、そこに自身の気持ちが表明される。私はメンションを飛ばし、大丈夫と彼を激励する。彼の斜め上のフィードには、中途半端に並んだ三点リーダと「無理」「クソリプ」という文字しかあらわれない。励ますのは難しい。そのSNSのシンボルらしい青い魚を眺めながら嘆息したところで目覚めた。

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