005 戦場

 こんな夢を見た。全身に鎧をまとった私は交渉の場にいる。交渉には興味がない私はただの兵士で、役割は護衛でしかない。

 交渉は決裂し、再び私は戦いに駆り出される。このような場にいるのが嫌でたまらない。私が戦場を彷徨っていると交渉の席にいた敵方のお偉いさんが孤立している。私の頭の中によぎったのは金のことだけだった。こいつをとらえて、身代金を請求すれば、儲かるだろう。私は猛然と襲いかかり、あっという間に相手を組み伏せる。相手が自分の高い身分を告げ、私の所業を狼藉や無礼といったことばで非難しだしたときに、金などどうでもいいやという気持ちになる。短刀を握りしめて相手の目を見つめたところで目が覚めた。

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