004 試験

 こんな夢をみた。僕は試験会場で国語の試験を受けていた。僕は国語が得意で、解答欄はどんどん埋まっていく。あまりにも簡単に終わってしまったので、思索にふけることにした。どのくらい考え事をしていたのだろうか、残り五分という試験監督の声で僕は現実に戻ってくる。つまらない拘束もようやく終わりだと嬉々として解答用紙と問題用紙を揃えていると、どちらもいつのまにか増えている。いつの間にか増えた解答用紙は当然未踏の雪原のように白く綺麗だ。僕はあわてて問題用紙を読もうとするが、字はぐにゃりぐにゃりと溶けていき、僕の視界から逃げていく。時計の秒針を眺めながら、絶望したときに、これは夢だと気がついた。

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