第六話 龍と悩みと相談と…。 ーその壱ー

「そういえば…りゅうちゃん」


「唐突になんでしょうか。バカ姉様」


「酷くない?」


「そう?」


「そうだよ!祈織ちゃんもそう思うよね?!」


黙って見てた私に唐突に華龍さんが私へ同意を求めてきた。まぁ確かに急にバカ姉様呼びは酷いと思うよ龍耶さん。冗談だと思うけど


「確かに唐突にバカ姉呼びは酷いかと思います」


それを聞いた龍耶さんは考える様に真剣に悩んでた。いや真面目に考える程の事じゃないと…。というか龍耶さんの真剣な表情…画になる。顔だけは良いのよねこの人


「それもそうだね。それで姉さん、さっきの話の続きは?」


「あ!そうそう!!りゅうちゃんは夕希ちゃん覚えてる?」


「覚えてるも何も僕の後輩だし。夕希がどうしたの??また何かやらかしたのあの子??」


「いやそういうのじゃないんだけどね…」


話は1時間程続いた……。

龍耶さんは何故か驚いた様に反応していた。



「えっ!?星夜がこの街に帰ってきたの!?マジか…それで銀河とも再会したと…なにそのロマンチックな流れは。しかしあの二人がまた一緒に居られるのか。そっか。ボクは嬉しいかな♪えへへ♪♪」ニコニコ


情報量多すぎ頭が追いつかないけど凄く良い笑顔で笑ってる龍耶さん初めて見た…その笑顔を見た瞬間ドクンッと心が音を立てた。その笑顔は何処か懐かしい感じがした。なんだろう…遠い昔に見た覚えがある凄く好きな笑顔だった


「祈織ちゃん?どしたの?そんな顔して」


「…っえ!?私、変な顔してました??」


龍耶さんは気になったのか私の顔を覗き込んできた。近い近い…!!顔良すぎるの自覚してください!!これじゃ心臓いくつあっても足りない///////そんな事も知らない龍耶さんはいつもの様に私にアプローチ気味に言ってきた


「ん?相変わらず可愛い顔してたよ♪祈織ちゃんは存在自体が可愛いからね♡」ニコッ


この人は全く…。なんでこんなに積極的になれるのかなぁ…私、そんなに可愛くないと思うけど?例え私が龍耶さんを好きだとしても本人にはバレない様にするけどね!寧ろ逆の態度取っちゃうし


「ほれほれ、りゅうちゃん。祈織ちゃんに熱烈好き好きアピールしてる所悪いんだけどね?銀河ちゃんと星夜ちゃん迎えに行ってきて欲しいなぁ〜♪って。なんか夕希ちゃんが寝坊したらしく待ち合わせ場所で立ち往生してるみたいだから…ってりゅうちゃんの方に銀河ちゃんから連絡入ってない?」


華龍さん、熱烈好き好きアピールって…あはは。銀河ちゃんと星夜ちゃんって誰だろう?

なんか凄く気になる…。


「え?あ〜…銀河から連絡あったわ。えっと…<夕希のバカが寝坊したから場所が分からなく駅前まで迎えに来て欲しいのですが大丈夫でしょうか>って」


「そういう事だからりゅうちゃんお願い♡祈織ちゃんとデートがてら迎えに行ってきて?」


「で、ででデートぉぉぉぉ!?!?//////」


華龍さんに龍耶さんと一緒にデートがてら2人を迎えに行って欲しいと言われ私は悟られない様に平然を装うとしたがデートというワードに思わず反応してしまった…。だってだって好きな人とデートだよ!?いや別にあの人の事好きとかじゃないもん!好きな人とは言ったけど!!嫌いではないのは確かだけど!!とりあえず落ち着け私!深呼吸…

すぅー…はぁー……よし!それを見てた龍耶さんが私の肩に手を置いて優しい声で落ち着かせる為に優しくかけてきた


「大丈夫?落ち着いた?ごめんね。うちの姉が迷惑かけて」


「いえ、大丈夫です。それに龍耶さんは動揺したりしないんですね?いつもなら大喜びしそうなワードなのに」


「まぁ内心嬉しいんだけど今は自分よりも後輩達の様子が気になってね」


「そうなんですか?」


「うん」


そういえば昨日何か電話で話してた様な…しかも真剣な表情だったし声も落ち着いてたし


「まぁ…後輩で大人しい子がいるんだけどね。その子って自分の気持ちを素直に表現できない子でさ…。相手に心配を掛けたくないのと初めて経験した感情に戸惑ってるんじゃないかな?って。ボクの憶測でしかないけどね」


「そうなんですね。私も自分の気持ちを素直に表現するのは正直苦手だからその子の気持ちも分かる気がするかな……」


「そっかぁ。ボクはどうだろう?分かんないや」


龍耶さんは普段は平然と好き好きアピールしてくるけど本心なのか冗談なのか分からなかったりだけど。この人、何処か不思議な感じするしほっとけないというか1人にしたらいけない気がする。何も言わずにふらっと何処かに行きそうで怖いな…もう二度と会えなくなりそう。それだけはどうにか阻止したい気持ちがある…って今はそれどころじゃないわ

とにかく2人を迎えに行かないと!


「まぁいいや。それより銀河達を迎えに行こうか。あの子達待ってるだろうからさ」ニコッ


「そうですね。それじゃ行きましょ!」


「そうだね」



私と龍耶さんは2人がいる場所へと向かった…。というか何故私も一緒に行くのだろうかと一瞬思ったけど龍耶さんの後輩である2人にも会ってみたい思いが強かったので一緒に行く事にした。龍耶さんの後輩ってだけで気になっちゃうもん

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